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ふるさと納税ワンストップ特例でトラブル?本当にあった話

ふるさと納税制度は、ワンストップ特例(5つの自治体までへの寄付であれば、一つの自治体に申し出ることで確定申告が不要になる制度)という利便性の特典まで付いており、この制度を使っているサラリーマンの方も多いのではないでしょうか。

特に寄付に対する自治体からの返礼品が注目を集めており、最近(2019年2月)もamazonギフト券を返礼品とすると発表した自治体に対し、総務大臣が苦言を呈するというニュースが話題になりました。

ふるさと納税とは何か

そもそもふるさと納税という制度、「納税」という言葉がついていますが、実際には都道府県、市区町村への「寄附」となります。ただ、一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が所得税や住民税から控除されますので、納税する先が居住地から寄付先の自治体に移転したように見えるため、ふるさと納税と言われています。なお、自己負担額とされている2,000円だけは控除対象となりません。

したがってポイントは、税金計算に適正に反映されているかどうかという点になります。

個人で確定申告をしている人は、自分で寄付金控除に反映させているため、まず問題無いと思います。一方、ワンストップ特例を選択した人は、個人での確定申告を省略し、行政に任せていることになっています。ちゃんとやってくれているはず、と信じてフォローしていない人も多いのではないでしょうか。

本当にあったワンストップ特例でのトラブル

これまで私もワンストップ特例の制度を使ってきました。寄付先の自治体は5つ以内とし、ワンストップ特例の申請書を一つの自治体に提出していました。

ある時、税理士さんと会話する中で、ふと「自分のふるさと納税が適正に調整されているのだろうか?」という疑問を持ちました。すなわち寄付先の自治体が自分の税金をちゃんと調整してくれているんだろうか、と。

そう思ったら居ても立っても居られなくなり、先ず昨年と今年の給与明細を比較してみました。

すると特別徴収されている住民税欄の税額が殆ど変わっていませんでした。

そこで更に詳細を調べる必要があると思い、住民税税額通知書を探し出して確認したところ、住民税額から控除されている金額が、ふるさと納税で寄付した金額と違うように思われました。

これはもしかしたら、適正に調整されていないかもしれないと疑念を抱き、国税庁HPからe-Taxにアクセスしてシュミレーションすることにしました。

結果は、還付税額の数字が表示されましたので、そのまま更正の請求(還付申請)の手続きをしました。

トラブルに対処するには

この話を聞いて自分は大丈夫だろうか?と心配になった方は、自身で確認されることをお勧めします。税理士さんに相談に行っても良いのですが、住民税を専門とされている先生は少ないので、相談にのっていただけるかどうか分かりません。

ここはひとつ、自分で頑張ると覚悟を決めるのが良いと思います。

でも、何から手をつけたら良いか分からない、、、という人のために、実際に私がとった行動をご紹介します。別にこれが唯一と申し上げるつもりはありませんので、一つの参考にして頂き、皆さまなりに工夫してください。

トラブル解決までの行動

まずは給与明細の比較から

特定月の2年分の給与明細を比較し、地方税の特別徴収額を比べました。私の場合は給料が変化していないということもあり、殆ど差がありませんでした。

住民税税額通知書の入手する

そこで、住民税税額通知書を探しました。正式には「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収額の決定通知書」というようですが、自治体によって名前が異なるかもしれません。

毎年5月から6月にかけて、受給者(給与をもらう者)の住所地の市町村から受給者が所属する法人(会社等)に送付され、受給者はそれを法人から受領することとなっています。この通知書には、その年に納付すべき税額を導き出すための過程(明細)と毎月の特別徴収額が記載されています。

この明細欄の「税額控除額」という欄にふるさと納税した額から2,000円を控除した金額が記載されていれば大丈夫かも、、、と期待して確認しましたが、どう考えても足りませんでした。いよいよもって疑念は深まるばかりです。

e-Taxを使うための準備

そこで実際にシュミレーションしてみようと考えました。市販ソフトでもフリーソフトでも構わないのですが、私は最初から国税庁が指定するe-Taxの仕組みを使うことにしました。

ただ国税庁のe-Taxを使うためには、本人確認の観点からマイナンバーカードに組み込まれている「公的個人認証サービスに基づく電子証明書」などの電子証明書を取得し、かつ、手元でそれを読み込むためのICカードリーダライタ及びそれを使用するための専用ソフトを用意する必要がありました。

過去に医療費控除を受けるため確定申告をした経験があったので、ICカードリーダライタは所有しているものの、電子証明書が期限切れで更新が必要となっていました。

面倒だな、、、と思っていたところ、平成31年1月からこれらの電子証明書やICカードリーダライタが無くても、スマホから簡単に所得税や贈与税の申告ができるようになったという情報を得ました。これは使わない手はない!

ただ、一度は必ず税務署に足を運び、IDの発行とパスワードの登録をしなければなりません。電子証明書を取るよりは楽だろうと、最寄りの税務署(住所地、勤務地に限らず、どこの税務署でも良いそうです)に行き、「スマホ申告するためのID登録をしたいのですが」と相談しました。

e-Taxへの入力

家に帰宅し、いざ挑戦です。

シュミレーションに必要な書類として、次の2点を用意しました。

  • 当該年度の源泉徴収票
  • 寄付金受領書 自治体によって名称が異なります。寄付をしたことを証する書面です。

国税庁のHPからe-Taxの画面に移動し、作業を開始しました。

正直これほど丁寧に画面が作られているとは、驚きでした。入力箇所が分かりやすく示してあり、初めてでしたがサクサク進められました。「寄付金控除」では、ふるさと納税にチェックを入れたところ、都道府県、市町村の選択画面が現れ、これをプルダウンで選ぶだけで必要事項は入力される優れ技にも感動しました。私は金額を入力すれば良いだけでした。

入力が完了すると、勝手に2,000円が控除された額が所得税の「寄付金控除」欄に表示されました。

結果確認

必要項目を入力し、「申告書を作成する」選択したところ、還付税額が表示されました。

嬉しいと思う反面、何もしなかったらこのまま損していたのだろうと恐ろしい気持ちになりました。ワンストップ特例で何が上手くいってなかったのかは、未だに解明できていませんが。

税務署への提出

e-Taxで作成しましたので、そのまま税務署に提出する、を選択して手続きが完了しました。

ふるさと納税の修正については、自治体からの寄付金領収書は手元保管となっていますので、データを税務署に提出するだけで良く非常に簡単でした。

今更間に合うのだろうかと真っ先に心配になりましたが、現在(平成31年2月時点)の法律では、法定申告期限から5年以内であれば還付請求(税法的には「更正の請求」といいます)することが可能なため、問題ありませんでした。

損をしないためにも自分でも確認を

ワンストップ特例の適用を受けているかたは、給与明細の比較でも良いですし、市民税税額通知書の比較でも構いません。まずは自分がいくら納税しているのかを見比べてください。そして少しでも疑問を感じた場合は、自身でチャレンジしてみることをお勧めします。

日本のサラリーマンは年末調整という便利な方法(その分、源泉徴収義務者である会社の負担が大きいのですが)があるため、自分がいくら納税しているかという意識が希薄です。私も今回の件を通じて、自分できちんと確認するということの大切さに気付かされました。知らないこと、見過ごすことで被る不利益が無いか、ちゃんと自分自身が税のリテラシーを持ってチェックするという姿勢が自分の身を守る(損をしない)武器になるのだと。

最後に

今回ふるさと納税って何なのだろうか、と改めて考えました。

総務省 ふるさと納税ポータルサイトには次のように記載されています。

多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。

その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。そこで、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」(出典:「ふるさと納税研究会」報告書)、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。

メディアの煽りもあり、寄付を呼び込もうとする地方自治体が差別化のために競って返礼品を工夫しています。その結果、その地方自治体を応援するために寄付をしているのか、返礼品を目的に寄付をするのか良く分からなくなってしまいました。筆者の周りにも、ふるさと納税の趣旨は自分の生まれ育った田舎を応援したいという思いであり、縁もゆかりもない地方へ寄付することではないはず。どうも納得ができないと、ふるさと納税はやらないという方もいらっしゃいました。

それぞれお考えがあって良いと思います。

一方、自然災害で甚大な被害を受けた自治体に返礼品不要でふるさと納税をするという方法もあります。今回私はそういう寄付をしました。被災された方が一日も早く日常を取り戻し、前を向いて一歩を踏み出されることを心から願いつつ。ふるさと納税、せっかく出来た画期的な仕組みですので、各人のポリシーに従い、上手く活用していけると良いですね。

エルラボ編集部

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金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、START UP[起業], CAREER CHANGE[転職], MONEY[人生に関するお金], MARRIAGE[結婚・子育て], AFTER LIFE[老後設計]というカテゴリを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。

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