自然災害は保険でカバーできる!自然災害に備える保険とは

「自然災害って保険でカバーできないの?」

自然災害大国とも言われる日本では、地震や台風による風害、大雨による水害など多くの自然災害が毎年のように起こり多くの住宅に被害を及ぼしています。そんな中、意外と知られていないのが自然災害による住宅被害をカバーしてくれる身近な保険の存在です。

今回は、そんな自然災害をカバーしてくれる保険と、効率よく被害に備えるための自分が住んでいる地域に合った最適な保険を選ぶポイントについてお伝えします。

自然災害をカバーする保険とは

台風、洪水、竜巻、地震。日本ではこれらのような様々な種類の自然災害が多く起こります。災害の規模にもよりますが、住宅が倒壊してしまうケースも無きにしもあらず。一般的な収入で家を購入するのはハードルが高いことなので自然災害のせいだからといって仕方ないでは済まされません。そんな時、自然災害による損害をカバーしてくれるのが『火災保険』です。火災保険は、その保険名から火災のみを補償する保険だと思っている方が多く、意外にも自然災害もカバーしてくれるという事実があまり認知されていません。

各保険会社が提供している火災保険により補償内容や適用範囲は異なりますが、多くの災害をカバーすることができます。この事実を知らないため、火災保険に加入して契約上はカバーされているにもかかわらず、「自然災害だから仕方ない」「自然災害の保険に入っていないから補償されない」など諦めてしまう人も多いのです。台風の影響で窓ガラスが1枚割れただけでも交換に1万円〜5万円ほどかかりますので損をしないよう必ずチェックをしましょう。

火災保険のカバー範囲

それでは一般的な火災保険のカバー範囲を解説していきます。基本的に保険をかける対象が「建物のみ」なのか「建物と家財」に保険をかけるのかによりカバー範囲が変わり、補償される内容も変わります。

台風・竜巻などによる損害

日本には台風が毎年平均4~5個上陸します。さらに近年では竜巻発生件数が年間平均約20件と過去に比べ増加しています。これらのような風災による影響で、物が飛んできて窓ガラスが破損、ガラスが割れた窓から雨が入り家財が破損、屋根が飛ばされる、などの被害を受けることがあります。

加入する保険対象が建物のみの場合は、「風で物が飛んできて窓ガラスが割れた」ことによる窓ガラスの交換費用など建物に関する損害のみにしか適用されません。建物と家財にかけた場合は、「風で物が飛んできて窓ガラスが割れたことにより、雨が吹き込んでテレビが濡れて壊れた」ことによる窓ガラスの交換費用だけでなくテレビの買替え・修理費用などの建物が損壊したことによる二次被害もカバーすることができます。

 

洪水・豪雨・土砂崩れによる損害

近年では、夏から秋口にかけてゲリラ豪雨などの集中豪雨による浸水被害や、土砂崩れによる住宅の破損などが増えています。全国的に見ても毎年水害による被害総額は数千億円にものぼり、今や日本の自然災害を代表する災害です。

洪水・豪雨・土砂崩れでの保険対象が建物のみだった場合は「豪雨による河川の氾濫で床上浸水してしまった」ことによる床や壁などの修理費用など。建物に加え家財も対象の場合は「河川の氾濫で床上浸水し1階部分の家具・家電が全て使えなくなってしまった」ことによる床や壁の修理費意外の家具・家電買替え費もカバー可能です。

 

雪・ひょうによる損害

全国的ではありませんが、一部地域による積雪の被害や、近年日本だけでなく世界各地でも増えているひょうによる被害も火災保険で補償することができます。海外ではひょうによる被害について度々聞くことがありましたが、2017年7月には日本でもゴルフボール大のひょうが降り窓ガラスが割れるなどの被害が出ため今後はひょうによる損害も油断できません。

保険対象が建物のみの場合は、「降雹(こうひょう)による窓ガラスの破損」の窓ガラス交換費の補償、建物に家財を含めた場合は「雪崩により建物も家財も全損した」ことへの家財を含めた補償が受けられます。

 

落雷による損害

近年の集中豪雨に伴い、落雷による建物の損害も増えています。落雷では家に穴が開くなど直接建物に落ちる場合もあれば、直接落ちなくても他所の落雷による影響で電化製品が壊れてしまうなど、他の災害とは異なる間接的な損害を受けることもあります。このような場合、建物のみの補償では「雷が落ちたことによって家から火が出た」際に建物部分の修理費のみが対象、建物に加え家財も対象になっている場合は、「マンションに落ちた雷によりテレビが壊れた」場合のテレビ修理・買替え費まで補償されます。

災害種別 保険対象物 補償対象例
台風・竜巻 建物のみ
  • 台風の風により物が飛んできて窓ガラスが割れた
  •  風で屋根が飛ばされた
  • 物が壁を直撃して壁に穴が空いた
建物・家財
  • 台風の風によってガラスが割れた窓から雨が入り、テレビが濡れて壊れた
  •  竜巻によって屋根が飛ばされたことにより雨漏りが生じ、垂れてきた雨によって電化製品が壊れた
洪水・豪雨・土砂崩れ 建物のみ
  • 土砂崩れによって家が潰れてしまい住めなくなった
  •  大雨の影響で近くの川が氾濫し床上浸水した
建物・家財
  • 床上浸水により1階部分にあった家財が全てダメになった
  • 土砂崩れにより壁が壊れて中の家具が使えなくなった
雪・ひょう 建物のみ
  • 積雪により屋根が落ちた雪が、下にあった給湯器を潰してしまった
  • ひょうのせいで窓ガラスが割れた
  • ひょうが降って屋根に穴が空いた
建物・家財
  • ひょうがふって窓ガラスが割れ、中のテレビ画面も割れてしまった
  • 雪崩が家の壁を突き破り、壁近くにあったソファが使えなくなった
落雷 建物のみ
  • 雷が家の屋根に落ちて瓦が割れた
  • 雷が家に落ちて建物が燃えた
  • 雷が近くの木に落ちて飛び火した火が家の壁を燃やした
建物・家財
  • 落雷によりテレビが壊れた
  • 落雷により家の電化製品が壊れてしまった

 

地震による損害は保険でカバーできるのか

過去、阪神淡路大震災や東日本大震災では総額数兆円にものぼる被害がでました。地震により数千万円もする自宅がなくなってしまっては、個人としての損失は大きすぎます。火災保険では、多くの自然災害による損害を補償できることがわかりましたが、「地震」はどうでしょうか。日本は地震国と呼ばれるほど地震が多い国なため地震に対しては特に万全に備えたい所です。

[出典:気象庁『地震発生のしくみ』]

結論から言いますと、火災保険のみでは地震はカバーされません。地震は別に『地震保険』というものがあるので、そちらに加入して初めてカバーされます。基本的には火災保険にプラスして地震保険に加入するという形になるため地震保険には加入するけど火災保険には加入しないということはできません。

地震保険の内容

振動による建物の倒壊や地震による津波での被害等が対象

地震保険では、地震の振動による建物の倒壊など直接的なものや、地震によっておきた津波に家が飲み込まれてしまい全損したなどの間接的なものも対象に含まれます。建物・家財個別に加入する必要がありますが、地震による直接または間接的に被害を受けた建物や家具家電なども対象の範囲内です。

したがって、地震が原因でおきた津波がもたらした破損や倒壊、地震の振動で倒れたストーブが倒れておきた火災、地震が原因で火山が噴火しそれに伴う火砕流による焼損や火災なども保険の対象に入ります。

 

損害程度に見合った保険金が支払われる

火災保険の場合は、損害の修理費見積による保険金の支払いが行われますが、地震保険の場合は火災保険とは異なり、損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に分類し、その程度に見合った保険金が支払われます。

損害の程度 基準(建物) 基準(家財) 保険金額
全損
  • 基礎、柱、壁、屋根等の主要構造部の損害額が建物時価額の50%以上
  • 焼失、流失した部分の床面積が建物の延床面積70%以上
家財損害額が家財全体時価額の80%以上 地震保険金額の100%

(時価が限度)

大半損
  • 主要構造部の損害額が建物時価額の40%以上70%未満
  • 焼失、流失した部分の床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
家財損害額が家財全体時価額の60%以上80%未満 地震保険金額の60%

(時価の60%が限度)

小半損
  • 主要構造部の損害額が建物時価額の20%以上40%未満
  • 焼失、流失した部分の床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
家財損害額が家財全体時価額の30%以上60%未満 地震保険金額の30%

(時価の30%が限度)

一部損
  • 主要構造部の損害額が建物時価額の3%以上20%未満
  • 建物が床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受け、全損、大半損、小半損にいたらない場合
家財損害額が家財全体時価額の10%以上30%未満 地震保険金額の50%

(時価の50%が限度)

 

地震保険はどの保険会社で加入しても変わらない

火災保険は各保険会社により細かい部分の内容が異なりますが、地震保険に関してはどの保険会社で加入しても金額や補償内容は変わりません。なぜなら、地震保険は各保険会社が独自で行っているわけではなく、法律に基づいて国と保険会社が共同で運営している保険だからです。そのため補償内容はどの保険会社が窓口であっても統一され、保険料も建物の所在地や建物の構造によって変動する仕組みになっているので、どの保険会社で加入しようと支払う保険料は変わりません。以下は各都道府県別の保険料金です。参考にしてください。(全て年間料金表示)

都道府県 耐火構造(コンクリート・鉄骨造) 非耐火構造(木造等)
岩手, 秋田, 山形, 栃木, 群馬, 富山, 石川, 福井, 長野, 滋賀, 鳥取, 島根, 岡山, 広島, 山口, 福岡, 佐賀, 長崎, 熊本, 鹿児島 6,800円 11,400円
福島 7,400円 14,900円
北海道, 青森, 新潟, 岐阜, 京都, 兵庫, 奈良 8,100円 15,300円
宮城, 山梨, 香川, 大分, 宮崎, 沖縄 9,500円 18,400円
愛媛 12,000円 23,800円
大阪 13,200円
茨城 13,500円 27,900円
埼玉 15,600円
愛知, 三重, 和歌山 17,100円 28,900円
徳島, 高知 13,500円 31,900円
千葉, 東京, 神奈川, 静岡 22,500円 36,300円

 

自分に適切な保険を選ぶには

保険に加入する上で、もちろん全ての災害に対する補償を受けることができればそれが一番安心ですが、全ての災害が毎シーズン起こるわけでもなく、全災害の補償に加入してしまうと、もしもの時のみに備えるにしては高額になってしまいます。そこで不必要な補償を削るのが自分に適切な保険を選ぶポイントなのですが、必要・不必要は何で判断すればいいのでしょうか?

効率よく自然災害をカバーする保険の選び方

建物がある場所や地域の災害により補償対象を選択する

火災保険の保険料が上下する要素は建物構造や追加補償などがありますが、自分にとって適切な火災保険を選ぶ場合にもっとも重要なポイントは「その建物はどのような災害に侵されやすく、どのような災害には侵されづらいか」という点です。例えば30階建マンションの最上階に住居がある場合と河川沿いに住居がある場合では、浸水などの水害に侵される可能性が全然違ってくるということです。可能性が低い災害の補償を削り、可能性の高い災害の補償を選択することで自分にあった補償内容・保険料に組むことができます。以下は災害種別ごとに災害が多い都道府県をまとめたものです。参考にしてください。

地震 台風 竜巻 雷雨 雪害
熊本県 137 鹿児島県 40 北海道 44 栃木県 277 北海道 121
茨城県 131 高知県 26 沖縄県 43 茨城県 202 青森県 110
福島県 103 和歌山県 23 高知県 32 長野県 182 秋田県 105
岩手県 93 静岡県 19 鹿児島県

宮崎県

秋田県

23 埼玉県 181 岩手県 101
宮城県 91 長崎県 17 埼玉県

新潟県

愛知県

16 大阪府 169回 山形県 96

※地震は2017年度震度1以上を観測した都道府県・回数です。

※台風は1951年から2017年台風16号までを記録した都道府県・個数です。

※竜巻は1991年から2015年までの発生件数を記録したものです。

※雷雨は2016年ゲリラ豪雨の発生傾向件数です。

※雪害は年間降雪平均日数です。降雪日数と降雪量とともに雪害件数も多くなります。

 

自然災害対策の保険は何に備えるかにより変わる

本記事での自然災害に備える火災保険は建物に関する保険なので、自分が怪我をしたり車が浸水して使い物になっても補償されません。そのため怪我の場合は傷害保険、車の補償は自動車保険と、何に対して備えるかにより入るべき保険が異なります。全てに保険をかけていたら年間保険料が膨大な額になってしまうので、「何に対して補償が必要なのか」「建物の場所や地域などの災害状況はどうなのか」「保険料の予算はどれくらいに抑えたいか」などリスクとメリットのバランスを考えて自然災害に対して備えましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。