転職費用はいくら必要?転職費用の負担が減る活用すべき制度

「転職費用はいくら必要?お金に余裕はないけど転職したい…。」

転職には収入が途切れたり等でお金がかかるイメージがありませんか?在職中に転職が滞りなく完了し、なおかつ転職に伴う引越し等がなければ収入も途切れずそこまで大きな費用はかかりませんが、転職活動の状況によっては収入が数ヶ月途切れることもあったり、転職活動が長引き交通費がかさんだりと細かい支出でも合計すると結構な金額になることもあるため、転職にはお金がかかるのが一般的です。

貯蓄金額によっては、転職したくてもその費用を捻出できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、だからといって転職を諦めるのは非常にストレスです。そもそも転職にはいくら費用が必要なのでしょうか?また、それら費用を軽減することはできないのでしょうか?

今回は、転職活動全般にかかる費用の全てと、転職費用の自己負担を減らす方法についてお伝えします。

転職をしたいけど、転職費用が捻出できないことでお悩みの方は、本記事を是非ご一読ください。

転職費用はいくら必要なのか

転職をする際、転職成功に注力しすぎて転職活動自体にかかる費用は見落とされがちですが、後々計算するとそれなりの金額になっていることがわかり後悔するという話も少なくありません。冒頭でも前述しましたように、上手に転職をすることができれば、収入も途切れることなく費用を最小限に抑えることができるため問題ありませんが、狙い通りに事が運ぶ確率は100%ではないため、全ての人がうまくいくという保証はありません。

一般的な転職活動にかかる平均期間は2~3ヶ月と言われていますが、人によっては半年、または1年、それ以上と長期間かかることも十分にあり得ますので、自分自身の転職にどれくらいの費用がかかるのかを事前に考えるのであれば、平均以上に余裕をもって期間を設定し、転職期間、そして支出項目に応じて転職費用を算出し費用を準備した方が安全な転職となります。もちろん、費用の準備だけでなく他にも転職をスムーズに成功させるための努力も必要なので、どちらもバランスよく行うのがいいでしょう。

以下では、より具体的に転職費用を算出できるように、転職にかかる主な費用項目と金額、転職先から給料としてお金が支払われるまでの期間、転職活動において予想以上にかかった費用などをお伝えしていますので転職費用算出の参考にしてください。

転職にかかる主な費用項目と金額

転職にかかる主な費用項目は生活費で、生活費以外にも交通費等が主な費用と言えます。家賃や生活費その他交通費など月に15万円が支出となる場合、転職平均期間2~3ヶ月に当てはめると30〜45万円の支出になります。転職活動中も在職しており固定の収入があれば問題はないかと思いますが、退職後の転職活動では収入が途切れることとなるため、それなりの蓄えがないと非常に厳しい支出となるでしょう。

下図は、株式会社リクルートキャリアが実施した「1000人の転職経験者に聞いた転職資金事情」アンケートです。このアンケートでは、在職中・退職後の転職者平均支出は54万円という結果が出ています。

[図参照・引用:リクナビNEXT「転職成功のための資金計画」より]

驚きですが、在職中の転職者平均支出が約37万円に対し、退職後の転職者平均支出は約71万円とほぼ倍額という結果がでています。在職中であれば収入の一部をそのまま転職活動費に当てることができるため家賃や生活費が転職活動費に含まれませんが、退職後ではそれらも転職活動費に加わるので額が膨大になり、転職活動期間が長引けば長引くほど費用の額は大きくなり、転職できる保証もないため資金は多めに準備するに越したことないと言えるでしょう。

 

転職先から給料が支払われるまでの期間

前述しましたが、転職活動を開始してから内定が出て転職完了するまでにかかる期間は平均2~3ヶ月です。ここからさらに転職先で給与がでるのは一般的に働き始めから約1ヶ月後となるため、退職後の転職活動の場合は4ヶ月収入が途切れることになります。11ヶ月に必要な生活費が15万円ならば、次の給料が手元にくるまで60万円貯金から切り崩すことになるのです。しかしこれは平均値なため、1ヶ月で転職活動終了する人もいれば1年かかる人も中にはいるので参考程度にてしておいてください。

当初の予想よりも意外にかかった費用

転職活動に必要な費用を計算する際、多くの方が細々とした費用を計算に入れ忘れるため後でフタを開けてみたら結構な額になっていたといことが多々あります。その代表が「交通費」。電車移動では片道運賃が300円〜500円と1回の支払い額が小さい為に気になりませんが、転職期間中分を合計すると1ヶ月1万円以上かかるということもよくあります。さらに、場合によっては面接の時間に間に合わせるためにタクシーなどを使うこともあるため合算すると結構な負担になるのです。

他にも、ちょっとした空き時間を過ごすカフェ代など、雑費だと思っていたものが、まとめるとそれなりの額になるため事前に考慮しておくか節約するかなどして対策しましょう。

 

転職費用の負担を減らすには

前述した通り転職活動にかかる費用はまともに払えば相当な金額となります。場合によっては、転職希望先が県外で今住んでいるエリアからの通勤が困難となるため、引越しが必要になる場合もあるなど、転職活動費以上に大きな金額が必要となり全てを自己負担でまかなうのはより厳しくなります。

だかといって、現在では転職活動に伴う交通費や転職に伴う引越し費用を負担してくれる企業は少ないため基本的には自己負担となってしまうのが現実です。そうなっては転職したくてもできないという事態に陥ってしまうので、転職をするためにも、そして余裕ある転職活動によって転職成功率を上げるためにも、転職費用の負担を減らしてくれる制度がありますので活用できる方は是非活用してください。

転職費用の負担を減らす活用すべき制度

雇用保険の基本手当 – 失業給付金 –

雇用保険の基本手当とは、一般的に言われる「失業給付金」のことを指し、会社を退職してから次に就職する会社が決まるまでの失業状態にある一定の期間、転職・再就職をサポートするために国から給付される手当のことです。

ある条件をクリアしていれば自己都合退職でも会社都合退職でも手当を受けることができますので、以下基本手当を受けるために条件に当てはまっていないか確認してみてください。

【雇用保険の基本手当受給資格・条件】

条件① –

ハローワークにて求職の申込みを行い、転職もしくは再就職しようとする積極的な意思があり、なおかつ就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない失業状態にあること。

(※ 起業やハローワークでの求職申込みを行わない場合は、再就職の意思がないものとみなされ基本手当を受けとることはできません。また、病気・ケガ・妊娠・出産・育児などですぐに就職できないときも基本手当を受けとることができません。)

 

条件② –

離職日以前に1年間の被保険者期間(雇用被保険者期間のうち賃金支払基礎日数が各月11日以上)が通算6ヶ月以上ある場合(特定受給資格者等, 倒産・解雇等の理由で離職)、離職日以前に2年間、被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある場合、いずれかに該当していること。

上記条件に該当するようであれば雇用保険の基本手当を受給することが可能となります。

申請から受給までの流れですが、まず始めに、所轄のハローワークにて求職の申込みをした後に、雇用保険者被保険者離職票を提出し失業給付手当の受給申請を行います。申請に必要な種類は以下です。

・雇用保険被保険者離職票

・個人番号確認書類(マイナンバー、通知カード、個人番号が記載されている住民票いずれか1種)

・身元確認書類

  ①運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署発行の身分証明証・資格証明書など

  ②公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など

・写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚

・印鑑

・本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード

受給申請をしてから、手当を受けとれるまでには時間がかかるため、すぐに受け取れるわけではありません。雇用保険基本手当の本来の目的は、失業者が再就職できるようにするためなので、手当に依存しすぎないようにするため待機期間7日間(退職理由にかかわらず一律)に加え自己都合退職の場合は3ヶ月間の給付制限が設けられているため注意が必要です。(倒産や解雇など会社都合退職の場合でも給付金を受けとるまでは求職申込みから約1ヶ月後です。)以下が退職理由別失業給付手当受取りの流れになります。

※手当受給資格者がハローワークからの職業紹介や職業指導を拒んだ場合は、拒んだ日から換算して1ヶ月間基本手当が支給されないという制限措置が施されます。

受給対象に該当するかどうかの自己判断が難しい方はハローワークに問い合わせ確認してみましょう。また、雇用保険の基本手当についてより詳しく知りたい方は「ハローワークインターネットサービス」をご覧ください。

 

生活福祉資金貸付制度 – 総合支援資金 –

生活福祉資金貸付制度とは、失業者に特化しているわけでなく、高齢者や障害者その他低所得者などが安定した生活を送れるように都道府県の社会福祉協議会が相談や支援、資金の貸付など行い生活をサポートしてくれる制度です。必要資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」、65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」、障害者手帳等の交付を受けた人が属する「障害者世帯」が生活福祉資金貸付制度の対象となります。

生活福祉資金には「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金」などがあり、このなかでも「総合支援資金」が今回のテーマに沿ったものになります。

総合支援資金とは失業などの理由により安定した生活が困難な人向けに、生活を立て直すまでに必要な生活費を支援する費用である「生活支援金」(最大12ヶ月, 月20万円まで, ※単身世帯の場合は月15万円まで)、住宅の賃貸契約を結ぶのに必要な、敷金・礼金・前家賃・不動産仲介手数料などを支援する費用である「住宅入居費」(40万円まで)、就職・転職のための技能習得など生活を立て直すために必要な費用で日常生活費ではまかなうことが難しい費用である「一時生活再建費」(60万円まで)などの貸付を受けられる制度で、前述しましたハローワークなどからの支援を受けながらも、受けることができる制度です。これらの貸付は連帯保証人がいれば無利子で受けることができます。(連帯保証人がいない場合でも年1.5%の利子で受けることが可能です。)

総合支援資金の貸付には以下の貸付要件に当てはまっている必要がありますので、自身が該当するのか以下要件で確認してみてください。

【総合支援資金の貸付要件】

・低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少によって生活に困窮していること

・公的な書類などで本人確認が可能であること

・現在住所のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること

・法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること

・社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること

・他の公的給付または公的な貸付を受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

[引用元:政府広報オンライン]

総合支援資金の貸付を希望される方は、市区町村の社会福祉協議会、総合支援資金相談窓口で申込みの手続きができます。窓口で手続きの説明を受け申込み書類を受け取り、下記必要書類と共に申込書を提出します。

・総合支援金借入申込書(社会福祉協議会 総合支援資金相談窓口にて交付)

・健康保険証のコピー

・住民票のコピー

・世帯状況がわかる書類

・連帯保証人の資力がわかる書類

・生活再建を実現するための求職活動などの内容を含んだ計画書

・ハローワークの支援を受けている場合、制度申請状況がわかる書類(ハローワーク発行)

・住居入居費借入の場合

 A)入居予定の不動産賃貸契約書のコピー

 B)入居予定住宅に関する状況通知書のコピー(不動産業者発行)

 C)住宅確保給付金支給対象者証明書(自治体発行)

・総合支援資金借用書

・その他

[引用元:政府広報オンライン]

審査に通り貸付が決定されたら生活支援費などは自分の口座に振り込まれ、それ以外の住宅にかかる敷金・礼金などの住宅入居費は不動産業者の口座に振り込まれます。

総合支援資金を申請する時点で離職をしている場合は、ハローワークでの求職申込みと職業相談が必要です。生活福祉資金貸付制度「総合支援資金」についてより詳しく知りたい方はこちら「政府広報オンライン」をご覧ください。

 

転職費用の負担を減らし安全な転職を

以上が転職活動にかかる費用全般と、費用が足りないときの救済措置です。計画的に在職中に転職活動でき満足のいく転職先が見つかり転職できるのが一番の理想ですが、勤務先企業の倒産や、突然の解雇では計画的に資金を準備するのも困難です。本記事で解説しました情報を有効に活用し再就職・転職に是非役立ててください。

 

ライタープロフィール

 EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。