人事異動を拒否するとどうなる?断りたい人必見の対処法

「人事異動を拒否するとどうなるの?」

人事異動は業務内容や職場環境、生活環境など、生活が一変し負担となるので、拒否したいのが正直なところです。

人事異動が、かならず出世につながるならいいのですが、現実はかならずしもそういうわけにはいかないので、人事異動に応じたものの、「ただ苦労をしただけだった」ということも大いにあり得ます。

自分一人の身ならまだしも、ご家族持ちの方はご家族にも影響がでるため、できる限り拒否をしたいところでしょう。そもそも人事異動を拒否することは可能なのでしょうか?

今回は、そもそも人事異動の拒否は可能なのか?という点から、可能な場合と不可能な場合、拒否したい場合の対処についてお伝えしていきます。

そもそも人事異動を拒否することは可能なのか?

人事異動には、主に①組織の成長②社員の成長③事業方針に従った組織編成、の目的が込められえおり、人事異動を命じられる側の社員にとってはストレスかもしれませんが、人事異動の目的自体はポジティブな理由であることがわかります。

しかし、いくらポジティブな目的であるからといっても、会社によってはものの数ヶ月の間に同じ社員に対して人事異動を何度も命令するところもあり、たまの人事異動であれば許容できますが、そう何度も人事異動を命じられては、いくら出世の可能性があるといっても体と精神が持ちません。また、コミュニケーションが苦手な方にとっては、新しい職場、新しい環境で改めて一から人間関係を築き上げるのは人一倍に苦労をするでしょう。状況によっては、人事異動を拒否したい時もあるはずですが、そもそも会社の命令である人事異動を拒否することは可能なのでしょうか?

 実は、人事異動には拒否できる場合とできない場合があります。そのため、拒否できる場合に当てはまっていれば「拒否をする」という選択肢も選べるのです。それでは拒否できる場合とはどのような場合なのでしょうか?確認していきましょう。

人事異動を拒否できる場合

入社時に締結した雇用契約と内容が異なる場合

まず、入社時に締結した雇用契約の内容が、勤務地や職種などを限定するものである場合、つまり命じられた人事異動が雇用契約反するものである場合は、人事異動に正当な理由がないかぎり、雇用契約の違反となるので人事異動を拒否することが可能となります。

 

子育てや介護などのやむを得ない場合

家庭の事情等、「人事異動に従ってしまっては、子供が一人になってしまう」「人事異動を受けたら、介護が必要な親の面倒はどうすればいいのか?」など、これらのように、大きく社員が不利になるようなやむを得ない状況であれば人事異動を拒否することも可能です。

しかし、この場合は「どこまでがやむを得ない状況なのか」という判別が非常に難しく、勤務している企業によっては福利厚生等で会社内に託児施設が設置されていたり、介護のサポートが受けられたりと、社員とその家族をサポートしてくれる制度もあるため、それらを加味して総合的な判断が下されます。したがって一概に拒否ができるとは言えません。

 

人事異動が嫌がらせ目的など不当な場合

社員にストレスを与え足元をすくうために、これまで対象社員が経験したことのない職務につかせたり、わざと個性と反するような業務をさせたり、対象社員が嫌がるであろう成果を出すことができない遠方の勤務地へ配属したりと、人事異動が明らかな嫌がらせ目的の場合にも、拒否をすることができます。

ただし、このような場合も、嫌がらせをしている企業側は法に反しない一見正当な理由を述べてくることがほとんどなので、判断が非常に難しいケースです。

 

特定の場合以外で人事異動を拒否したら

ここでの“特定の場合”とは、前項にてお伝えしました人事異動を拒否できる入社時に締結した雇用契約と内容が異なる場合②子育てや介護などのやむを得ない場合③人事異動が嫌がらせ目的など不当な場合、これら3つの場合を指しますが、これらに当てはまらない場合に人事異動を拒否するとどうなるのでしょうか?

特定の場合を除き人事異動を拒否した場合に下される処分

業務命令違反で懲戒処分の対象となる

人事異動は会社の業務命令であるため、業務命令である人事異動を拒否してしまうと懲戒処分の対象となるのが一般的。そしていくつかある懲戒処分の中でも、人事異動の拒否に対する処分は重く、「懲戒解雇」となる場合が多いです。これは、軽度の処分であれば処分の方を選ぶ社員が増えてしまい、人事異動がうまくいかず組織編成に影響がでるため、あえて重い処分である懲戒解雇にしているという企業が多いようです。

企業それぞれの処分内容にもよるかもしれませんが、人事異動を受け入れるか、あるいは懲戒処分の対象となることを受け入れるかは良く考えねばなりません。

 

どうしても人事異動を拒否したい場合はどうすればいいか?

人事異動を拒否すれば、懲戒処分の対象となる可能があるから一般的には従うしかないと言われても、人事異動を受ける側も人間ですから、状況によってはどうしても拒否したい場合というのがあるでしょう。当然、前述のような人事異動を拒否できる場合に当てはまっていれば、リスクを背負うことなく拒否できますが、それらに当てはまっていない場合はどうすればいいのでしょうか?

どうしても人事異動を拒否したい場合の対処法

就業規則を確認する

就業規則に、人事異動に関する規定がなければ人事異動を拒否することができる、または拒否をしても処分の対象とならない可能性があります。意外にもしっかりと就業規則を定めていない企業は多く存在するので、まずは就業規則に人事異動に関する規定があるかどうかを確認してください。

 

上司に相談をする

比較的、規模の小さな融通のきく企業でのみ使える手法ですが、前述の人事異動拒否に対する処分は、あくまで一般的なものであり企業の考え方によっては、これまでお伝えしてきましたような「人事異動を拒否したら懲戒処分」という流れが起きない場合も十分にあり得ます。そもそも、人事異動の拒否に対する処分は、本来人事異動を滞りなく行うための目的であって、断ったから嫌がらせで処分するというものではありません。そのため相談・交渉する余地はあるのです。

当然、「なんとなく嫌だから」「面倒だから」などという理由では通用しませんが、「なぜ人事異動を拒否するのか?」ということを明確にしたうえで上司に相談することができれば、場合によっては理由を汲み取ってくれ処分なしに人事異動を逃れることができるかもしれません。話を持ちかける際に、こちらとしても全面的に拒否をしてしまっては一方的になり悪印象となってしまうため、拒否ではなく相談というスタンスで話しを持ちかけてみてください。

 

転職をする

これはあまりおすすめしませんが、人事異動を拒否して懲戒処分を受ける前に転職をするというのも一つの選択肢ではあります。人事異動では、対象者が人事異動命令である「辞令」を受ける前段階として「内示」と言う形で、辞令がでる2週間から2ヶ月前に異動の件を対象者に通知するのが一般的ですが、その内示の前に、対象者に「内々示」や「打診」といった探りを入れる場合があり、その段階では仮でしかいないため、拒否をすることもできますし、拒否が難しそうであれば懲戒処分の対象となる前に転職をすることも可能です。

極論、転職に伴う退職に関しては、労働者の権利であるためいつでも退職を申し出ることは可能なのですが、辞めること自体は可能であっても、バタバタとした退職になり周囲に迷惑をかけ、転職先への印象が悪くなる可能性があることは言うまでもありません。

したがっておすすめはしませんが、このような手段もあるということだけ覚えておいてください。

 

人事異動は安定して仕事を提供してくれる会社への対価

いかがでしたでしょうか?ただでさえ面倒でストレスのかかる人事異動なのに、断れば懲戒処分、重いものでは解雇処分になる可能性があるなど、一見して理不尽に思えますが、通常の人事異動は会社の経営をより良くするものであり、人事異動の話しがくるということは期待されているというようにも取れますのでできれば前向きにとらえて取り組んでみてください。

しかし、そうはいっても人の性格によっては我慢できないほどのストレスを受ける方もいらっしゃると思いますので、深いダメージを受ける前に対策をしましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。