職務経歴書と履歴書の違いは?転職応募書類の正しい作成方法

職務経歴書と履歴書には明確な違いがあるため、提出を求める企業側の使用目的を理解した上で書類を作成した方が書類選考を通過しやすくなります。

それぞれの使用目的を理解し、採用担当に効果的にアピールすることができる応募書類を作成しましょう。

今回は、職務経歴書と履歴書の違い、そして両書類の正しい作成方法についてお伝えします。

職務経歴書と履歴書の違い

結論からお伝えしますと、職務経歴書と履歴書の違いは「使用目的」です。使用目的以外にも細かな項目やそれに伴い書くことの違いは当然ありますが、それら細かな違いは本質的な違いではないため、職務経歴書と履歴書の本質的な違いのみをお伝えします。

職務経歴書と履歴書には重複するような項目があるため、始めて作成する場合に戸惑いますが、職務経歴書と履歴書の目的を理解すれば、「何のために繰り返し同じようなことを書くのか?」また、「どうせ同じ項目なら履歴書に記載した内容を、そのまま職務経歴書にコピーして記入してはいけないのか?」など、書類が分かれていることから生じる疑問が解消され、目的を把握することによって採用側に書類を使って効果的にアピールすることができるようになりますので、各書類の目的を理解していきましょう。

履歴書の目的

履歴書の目的は、ずばり企業側の情報保管です。情報管理を一般的な程度で行っている企業であれば、社員の履歴書を書面またはデータいずれかの形できちんと保管しています。

応募して不採用だった場合は、すぐに破棄されるのが基本ですが、企業によっては不採用の場合でも、一定期間保管し、内定辞退者が出た際の追加選考等で使用します。一方、採用された場合は、社員の在籍期間中、そして退職後3年間は履歴書の保管義務があるということが労働基準法で定めてられているため、保管をしなければならず、情報管理・保管がし易いように履歴書というある程度形式の決まった書類の提出が求められます。

多くの方は、履歴書が書類選考に使用されるものとして考えがちですが、履歴書の主旨は情報保管であって書類選考ではないのです。ただし、いくら主旨ではないといっても、提出された書類に採用は目を通しますので、写真や丁寧さによって第一印象に影響することは大いにあるので丁寧な作成を心掛けましょう。

 

職務経歴書の目的

一方、職務経歴書の目的は、書類選考と、職務経歴書を元にした面接のための提出です。履歴書と同じような項目がありますが、職務経歴書ではそれらをより細かく記入していき、企業にとっては採用の見極め、志望者にとっては自分自身のアピールのために使用できるため、職務経歴書の作成には気を抜けません。

職務経歴書では、一般的に職務要約(経歴概略)から始まり、職務経歴、志望動機、スキル、自己PRといった項目を設けます。これら項目の詳細は改めて後述しますが、項目ごとに意味があり、どれもが採用に影響を与える要素でもあるため、職務経歴書の提出を求められた場合は、書類選考・面接を通過し採用される確率を上げるためにも、手を抜かずに作成することを意識してください。

 

両書類に含まれる項目はどうすればいいのか?

職務経歴書にも履歴書にも「職歴」や「志望動機」など重複する項目が存在しますが、そもそも何故同じ項目が存在するのでしょうか?また、これらにはどう対処するのが正しいのでしょうか?

各書類に同じ項目が含まれる理由

理由①:目的が違うため

前述にてお伝えしましたが、各書類はそれぞれ目的が異なります。履歴書は保管目的、職務経歴書は選考目的です。保管目的であるために、記入する情報は表面的な情報のみ。逆に選考目的で利用する職務経歴書は、これまでの経験や実績をより深く把握するために、履歴書よりもより細かく実用的な情報を記入します。企業の採用担当者は提出された書類に目を通しますが、多くの場合、職務経歴書を中心に確認するため、履歴書で一度書いた内容であっても、職務経歴書にて、よりしっかりと目を通してもらうために同じ項目が含まれています。

 

理由②:効果的にアピールするため

前項と重なる内容でもありますが、職務経歴書は書類選考だけでなく、そのまま面接でも使用されます。そのため面接での会話にてより具体的で効率的にアピールするためにも表面的な情報とプラスαの情報がきっかけになるため、「もっとアピールしたかったのに表面的なことしかアピールできなかった」という事態を防ぎます。職務経歴書にて、履歴書以上の情報をわかりやすくまとめておくことにより、自分自身を最大限アピールすることが可能となります。

 

目的を理解した上で、それぞれを適正に作成することが重要

職務経歴書と履歴書、それぞれの目的が理解できたら、その目的に沿って各書類を正しく、そして採用に対して最大の効果を発揮するように作成することが重要です。就活も転活も最終的な目標は、希望する企業に採用されることですから、チャンスを確実に逃さないためにも、各書類を適正に作成しましょう。

次項では、各書類の正しい作成方法を解説していますので、応募書類作成の参考にしてください。

 

職務経歴書と履歴書の正しい作成方法

職務経歴書と履歴書の作成は、それぞれ注力すべき箇所が違いますので、正しく、そして効果的に作成できるよう、各書類作成時には、以下作成方法と注力すべきポイントを参考に作成してみてください。

履歴書の書き方

履歴書は使用する規格によって書くべき項目が多少変わってきますが、ほとんどの場合以下の項目で構成されています。

▪基本情報:[日付/氏名/住所/連絡先/通勤時間/写真/扶養家族・義務など]

▪経歴資格:[学歴/職歴/賞罰/取得資格・免許]

▪自由記入:[志望動機/自己PR/趣味・特技/本人希望]

履歴書の細かい書き方については『履歴書の書き方【完全版】余裕で書類選考をパスできる重要点』を参考にしてください。

基本情報欄 ~日付/氏名/住所/連絡先/通勤時間/写真/扶養家族・義務~

履歴書の基本情報欄には、日付や氏名、住所や連絡先等を記入し、別ページに通勤時間や家族構成等を記入します。ここで注意すべき点は、日付の表記です。履歴書に記入する日付は、和暦・西暦の決まりはないですが、和暦で記入するなら履歴書・職務経歴書すべての日付を和暦で、西暦なら同様に西暦で記入しましょう。

 

経歴資格欄 ~学歴/職歴/賞罰/資格・免許~

「学歴・職歴など」の経歴欄には、学歴・職歴・賞罰の3つの項目を記入します。「学歴」には、学業上の経歴を、「職歴」には、職業・職務に関する経歴を、「賞罰」には、これまでの受賞経験と犯罪歴を記入します。資格・免許欄には、これまで取得した資格や免許の名前を記入しましょう。

経歴資格欄に記入する情報はすべて正式名称で記入してください。学歴の学校名であれば、「○○県立○○高等学校」、大学の場合は「○○大学○○学部○○学科」と学部・学科まで正確に記入します。職歴では株式会社を(株)と略さず、社名・配属先・担当職務等を正確に記入しましょう。

賞罰では、これまでの受賞歴や犯罪歴を記入するのですが、受賞歴は国際大会レベルでの受賞や全国大会優勝レベルを基準に記入、犯罪歴は交通違反程度または少年犯罪程度は記入は記入せず刑法犯以上のものを記入しましょう。特にこれらの経歴がなければ「賞罰なし」と記入してください。

犯罪歴などの後ろめたい経歴は隠したいかもしれませんが、隠してしまうと経歴詐称となり、後々発覚することもありますので省略せずに記入しましょう。発覚すると懲戒処分の対象となる可能性もでてきます。

 

自由記入欄 ~志望動機/自己PR/趣味・特技/本人希望~

自由記入欄は、履歴書で最も大切なのが、この自由記入欄といっても過言ではないでしょう。

志望動機記入欄には、志望動機または自己PRそして仕事に関連する趣味や特技を記入します。これらすべてを含める必要はありませんし、どれを書いてもいいのですが、これら項目の中でも志望動機は採用側が自社に適した人材かをチェックする項目でもあるため、志望動機を書くことをおすすめします。

そして本人希望欄には、希望をそのまま記入するのではなく、妥協できない雇用条件や、連絡のつく時間と連絡してほしくない時間、入社可能日等を記入しましょう。

 

職務経歴書の正しい書き方

職務経歴書は、履歴書ほど規格形式が定まっていないため、決まったフォーマットというものがありません。そのため職務経歴書は、履歴書とは違いWord等で自作される方が非常に多いです。

ただし、書き方や作成手段にはいくつか種類や方法があり、それらは転職状況や応募企業によって相性が異なるため、状況で判断し適切なものを選ぶ必要があります。

職務経歴書の項目も、明確に決まっているわけではないのですが、こちらは採用の判断材料となるので、自然と記入する項目が限定され、一般的には以下のような項目で構成されることが多いです。

職務要約(経歴概要) これまでの経歴や実績、これからの会社貢献の要約
勤務中の企業 勤務中の企業に関する情報と配属先や担当職務等
職務経歴 これまでの職歴と各企業での経験と実績
保有資格・免許・スキル 資格・免許を含め、資格以外のPCスキルや語学スキル等
志望動機 「なぜこの会社なのか?」という明確で根拠のある志望理由
自己PR 履歴書や経歴書の項目に入れ込みきれなかった、アピールポイントやその他PR

職務経歴書の細かい書き方については『職務経歴書の書き方【完全版】採用担当が興味を示すポイント』を参考にしてください。

 

職務要約(経歴概略)

職務要約(または経歴概略、どちらでも可)は、あなたが「これまでどんな仕事をしてきたのか」「どういう強みがあるのか」「なぜこの会社に応募したのか」などを簡単に短文でまとめたものを記入します。

読み手である忙しい採用担当者にとってストレスなくわかりやすくアピールするために職務要約(経歴概略)の項目を書類の先頭に設けます。すぐ理解できるよう前述の要素を手短にまとめて作成しましょう。

 

勤務中の企業

企業に勤務しながらの転職活動でしたら、「勤務中の企業」という項目を設け、勤務中の企業情報、つまり直近の会社概要を記入しましょう。含める内容は、①企業名②在籍期間③事業内容④上場・非上場⑤従業員数⑥売上高⑦雇用形態、などです。

この項目は職務経歴と一緒にして記入しても問題ありません。ただし、応募先企業が直近に在籍していた企業と同じ業職種などの場合は、直近の職種や職務経験をアピールしたほうがいいので、職務経歴と分けて項目を設けてもいいでしょう。

 

職務経歴

職務経歴では、これまで経験してきた企業や、配属された部署、その部署で担当した業務やプロジェクト、それらの実績などを具体的に記入していきます。

前述では「職務経歴書にフォーマットはない」とお伝えしましたが、実は職務経歴書の職務経歴欄には転職回数等、自分の状況に応じて形式を変える方法があり、初めての転職や転職回数が1回と少ない方は、古い職歴から順に記入する「編年体式」、転職回数が2回以上の方は、新しい職歴から順に記入する「逆編年体式」、転職回数が多く、時系列で書くと大変なボリュームになるという方は時系列関係なく職務経験・分野でまとめる「キャリア式」で記入すると効果的にアピールすることが可能です。

 

保有資格・免許・スキル

 

こちらでは履歴書に記載する資格や免許以外にも、応募先企業で役立つスキル等を併せて記入します。特に取得した年月等は記入せず、企業の募集要項にある優遇スキル等、応募先企業に直接関連するようなスキルから優先的に記入していきましょう。

「PCスキル:Word、Excel、PowerPoint」「語学スキル:英語(TOEIC スコア800点)ビジネス会話、文書読解等」など資格でないスキルも具体的に記入してください。

 

志望動機

履歴書にて志望動機を記入しているのであれば、職務経歴書で改めて記入する必要はありません。記入する場合は、採用側のニーズに応えるために①「企業が求める人材」をしっかりと理解しそれを踏まえた上で、これまで経験した自分の強み、その強みを活かして②応募企業へ貢献できること、そして③その会社でないと達成できない将来のキャリアビジョンを含めて「なぜ当社じゃないとダメなのか?」という採用側の疑問に120%応えるようなつもりで志望動機を作成しましょう。

 

自己PR

自己PRでは、応募先企業にこれまでの経験で築いた特に注目してほしい点をまとめてアピールします。つまり、この項目では自分を応募先企業に売り込むことを目的とするのですが、淡々と強みを並べても採用担当者には伝わりません。

企業が「なぜあなたを採用するのか」という採用すべき理由を、入社後の働き方など貢献の仕方を含め、それらを具体的に、そして根拠を示すように作成してください。企業の求める人材を意識しアピールするのが自己PR作成のポイントであり、企業にメリットを出すことを意識し、それらが具体的そして鮮明に採用担当者に伝わるよう自己PRを考えましょう。

 

職務経歴書と履歴書の違いを理解して効果的なアピールを

いかがでしたでしょうか?初めて職務経歴書の提出を求められた、初めて職務経歴書を知ったという方は、なかなか履歴書との違いがわからないですよね。しかし、前述のようにその目的や作成方法を見ると二つの書類が全く異なることが明確にわかります。

「提出を求められたから」という理由で、書類の目的を理解せず適当に書いてはアピールするべき点も

当然わからないため、書類選考の通過すら難しいでしょう。応募先企業の採用担当により効果的にアピールし採用される確率を上げられるよう、職務経歴書と履歴書の違いをはっきりと理解し合格する書類作成を行いましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。