生活福祉資金とは?制度の利用方法と利用上の注意点

生活福祉資金とは正式名称を「生活福祉資金貸付制度」といい、低所得者や高齢者・障害者等を対象に、国と自治体が連携し貸付を行い、経済的なサポートを目的とした制度です。

経済的に困ったときに利用する生活福祉資金ですが、どうすれば利用できるようになるのでしょうか?また、生活福祉資金以外にも似た様な制度で「生活保護」などが存在しますが、併用して利用することはできるのでしょうか?

今回は生活福祉資金の内容全般から申請返済の流れ、生活保護との併用可否、利用上の注意点についてお伝えします。

生活福祉資金とは

生活福祉資金とは正式名称を「生活福祉資金貸付制度」といいます。この生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者、障害者の方たちを対象に、厚生労働省と各自治体が連携し、公的な貸付を行うことで経済的にサポートをし、在宅福祉と社会参加の促進を目的とした制度です。

生活福祉資金は貸付金の使用目的別に貸付限度額が設定されており、その目的は生活支援や引越しに伴う敷金・礼金などの賃貸契約に必要な費用、学校活動を行うための費用など多岐に渡ります。これらは基本的に無利子もしくはかなりの低金利で貸付を受けることができるためお金に困った際には非常に助かる制度です。何かしらの理由で経済的にお困りの方は必ずチェックしておきましょう。

生活福祉資金の対象者

簡単に前述しましたが、生活福祉資金の対象者は主に低所得者・高齢者・障害者それぞれが属している世帯です。

世帯種別 概要
低所得世帯 市町村民税非課税程度に困窮しており、必要な資金を他の金融期間から借入ることが難しい世帯
高齢者世帯 日常生活上療養または介護を要する高齢者や、65歳以上の高齢者が属する世帯
障害者世帯 障害者総合支援法によるサービスを利用している又は、同等と認められる方を含む、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳保険福祉手帳の交付を受けた方が属する世帯

 

生活福祉資金の種類と貸付金額

生活福祉資金にはいくつかの種類があり、それによって貸付金額が異なります。まず、生活を再建するために必要な費用を貸付する「総合支援資金」、技能習得に必要な費用や生業を営むために必要な費用、介護や障害者サービスを利用するために必要な費用を貸付する「福祉資金」、通常の学校活動や就学に必要な費用を貸付する「教育支援資金」、低所得や要保護の高齢者世帯に対し住居を担保にすることにより生活資金を貸し付ける「不動産担保型生活資金」の4種類に大別され、さらにそれぞれが細く分類されます。自分が、「何に支払うお金がなくて困っているのか」をもとに貸付資金の種類が変わるのです。

以下は、生活福祉資金の種類と貸付金額をまとめた表なので参考にしてください。

資金種類 内容 貸付限度額 利子
総合支援資金 生活支援金 生活再建までに必要な費用 (単身)月15万円以内

(二人以上)月20万円以内

無利子

※連帯保証人がいない場合は年1.5%

住居入居費 敷金・礼金など住宅賃貸契約に必要な費用 40万円以内
一時生活再建費 就職・転職のための技能習得費や、滞納している公共料金の立替など生活再建のために一時的に必要な費用 60万円以内
福祉資金 福祉費 生業を営むための経費や技能習得期間中の生計維持、福祉用具等の購入費、災害を受けた時の臨時費用等 580万円以内

※資金用途に応じて上限額を設定

無利子

※連帯保証人がいない場合は年1.5%

緊急小口資金 緊急かつ一時的に生計維持が困難になった場合に必要な少額費用 10万円以内 無利子
教育支援資金 教育支援費 低所得世帯に属する学生が高校や大学などに就学するために必要な費用 (高校)月3.5万円以内

(高専)月6万円以内

(短大)月6万円以内

(大学)月6.5万円以内

無利子
就学支度費 低所得世帯に属する学生が高校や大学などに入学するために必要な費用 50万円以内
不動産担保型生活資金 不動産担保型生活資金 低所得高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保にし、生活資金を貸し付ける資金 ・土地評価額の70%程度

・月30万円以内

年3%もしくは長期プライムレートのいずれか低い利率
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 要保護高齢者世帯に対し一定の居住用不動産を担保にし生活資金を貸し付ける資金 ・土地及び建物の評価額の70%程度

・生活扶助額の1.5倍以内

 

生活福祉資金を利用するには

生活福祉資金は、資金の種類により申請返済の流れが多少異なります。しかし基本的には、申請者と社会福祉協議会とのやり取りになりますのでそこまで複雑ではありません。それでは申請から返済までの詳細をみていきましょう。

総合支援資金と緊急小口資金の場合

総合支援資金と緊急小口資金を利用するには、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業を利用していることが前提条件です。生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業とは、経済的に困窮していることにより最低限度の生活を維持することができなくなる可能性のある方に対し支援を行い、自立の促進を目的とした制度で、その中でも自立相談支援事業は、就労やその他の自立に向けた相談や支援を行う事業です。

総合支援資金と緊急小口資金の申請窓口となっているのは、この自立相談支援事業を実施している機関の窓口であり、簡単に言えば、お住まいの住所を管轄している役所の福祉課や生活支援課などが窓口となっています。

相談窓口にて状況の相談と申込み

前述しましたように、総合支援資金と緊急小口資金の相談・申込み窓口は自立相談支援事業を行っている役所の福祉課や生活支援課などです。まずは窓口に相談にいき、状況を話した上で申込みが可能かどうか判断してもらいましょう。申込みが可能であれば、そのまま利用申込を行います。

 

市区町村社会福祉協議会に申請書類提出

役所の窓口にて利用申込が完了したら、そのまま市区町村の社会福祉協議会に貸付へのつなぎを行ってくれます。その後申込者は、市区町村社会福祉協議会にて必要申請書類を提出し申請をします。すると市区町村社会福祉協議会が都道府県社会福祉協議会へ申請書類を送付してくれ、都道府県社会福祉協議会にて貸付の審査が行われます。

 

借用書を都道府県社会福祉協議会に提出し貸付金交付

都道府県社会福祉協議会にて審査が終了したら、手元に貸付決定通知書または不承認通知書が送られてきます。貸付決定通知書が送られてきた場合は、借用書を都道府県社会福祉協議会に提出します。借用書を提出すると貸付金が交付されます。

 

定められた償還期限までに返済

資金の種類それぞれに償還期限が設けられています。それに従い返済をして一連の流れが完了です。

[引用:社会福祉協議会『生活福祉資金について』]

 

福祉費・教育支援資金・不動産担保型生活資金の場合

福祉費・教育支援資金・不動産担保型生活資金を利用する際の相談窓口は、市区町村の社会福祉協議会です。上記、総合支援資金と緊急小口資金の場合とは申込窓口が異なるので注意しましょう。

市区町村社会福祉協議会に相談し借入申込み

まず、市区町村の社会福祉協議会にて状況を相談し、申請書類等を提出し借入の申込みを行います。申請書類の確認が終了すると市区町村の社会福祉協議会から都道府県の社会福祉協議会へ申請書類が送付されます。すると都道府県社会福祉協議会にて審査が行われます。

福祉費・教育支援資金・不動産担保型生活資金の場合は、地域の※民生委員等に市区町村社会福祉協議会に貸付のつなぎを行ってもらうことも可能です。

※民生委員とは、構成労働大臣から委嘱された地域の社会福祉増進につとめるボランティアの地方公務員です。地域の見守りや支援・相談などをおもに受け付けています。住所を管轄している自治体に問い合わせると窓口を紹介してくれます。

 

借用書を都道府県社会福祉協議会に提出し貸付金交付

都道府県社会福祉協議会にて審査が終了したら、手元に貸付決定通知書または不承認通知書が送られてきます。貸付決定通知書が送られてきた場合は、借用書を都道府県社会福祉協議会に提出します。借用書を提出すると貸付金が交付されます。

 

定められた償還期限までに返済

資金の種類それぞれに償還期限が設けられています。それに従い返済をして一連の流れが完了です。

[引用:社会福祉協議会『生活福祉資金について』]

 

生活保護との併用は可能か

結論からお話すると、併用可能な資金とそうでない資金があります。生活保護を受けている場合、福祉資金と教育支援資金は利用することができますが、総合支援資金は申込みができません。また、生活福祉資金貸付制度は基本無利子といえど返済が必須なため、現実的にみて返済が可能かどうかの判断をされるので貸付額は少なくなります。

 

生活福祉資金は絶対ではないので注意を

生活福祉資金の貸付金には都道府県社会福祉協議会にて審査を行い決定した上で交付されます。このとき、福祉費の貸付等は返済見込みのある世帯でないと利用できません。そのため申請者が健康か、返済する気があるか、仕事をしているかもしくは仕事につけそうか等を見て判断されます。

社会福祉協議会による審査はありますが、経済的に非常に困っている場合、対象に当てはまる可能性があるのでしたら一度窓口にて相談をしてみましょう。抱えている不安が落ち着くかもしれません。

 

ライタープロフィール

 EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。