育英資金とは?制度の利用方法と利用上の注意点

育英資金とは、奨学金を無利子貸し付けてくれる制度です。

育英資金は、経済的理由により勉強することが困難な学生を対象に、無利子で学費を貸付してくれる奨学金制度で、「○○育英資金」という名で各自治体や団体が事業を行っていますが、全国で内容が統一されているわけではなく、それぞれ内容や申請方法等が異なります。

今回は、「東京都育英資金」を中心に内容・条件・貸付金額・申請から返還までの流れ・注意点についてお伝えします。

育英資金とは

育英資金とは、勉強に対する意欲があるにもかかわらず、経済的な理由により通常の学習活動ができない学生に対して学費を貸与しサポートする奨学金のことです。「○○育英資金」という名で様々な自治体や団体が奨学金事業を実施していますが、それぞれ内容や申請方法等が異なります。しかし、どの育英資金も基本的には「勉強意欲のある学生への経済的サポート」という共通の目的をもっています。以下は「東京都育英資金」を中心に解説しています。

育英資金の対象条件

東京都で利用できる主な育英資金は、「公益財団法人 東京都私学財団」が実施しています。対象となるのは基本的に東京都内に住所があり、勉強に対する意欲がありながらも経済的理由により通常の学習が困難で以下の学校に在学している方です。

・高等学校

・高等専門学校

・専修学校(高等/専門課程)

上記が前提条件であり、育英資金に申し込むには前提条件をふまえた上で申込資格に該当する必要があります。申込には3種類あり、通常の「一般募集」、家計に急変があったときの「特別募集」、これから高等学校、高等専門学校、専修学校(高等/専門課程)に進学する中学三年生を対象にした「予約募集」、これらそれぞれの申込資格に該当し申し込むことにより奨学金を受けることができます。以下それぞれ「一般募集」「特別募集」「予約募集」の申込資格です。

※情報は平成30年度のものです。

【一般募集】

次の①〜⑨のすべてに該当し、在学校が推薦する方

  • 国・公・私立の高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)又は専修学校(高等課程)、都内に所在する高等専門学校又は専修学校(専門課程)に在学していること。
  • 申込者と申込者を扶養している方(税法上の扶養者)が、貸付を開始する月の初日に共に住所が都内にあること。
  • 勉学意欲があり、経済的理由により修学が困難なこと。
  • 同種の奨学金(給付制のものを除く)を他から借り受けていないこと。
  • 申込時に、第一連帯保証人(原則として申込者を扶養する父又は母)、貸付終了時に、以下の要件をすべて満たした第二連帯保証人を立てられること。

ア 父又は母でないこと。
イ 職業を有し(借用証書提出時に限る)、独立の生計(別生計)を営んでいること。
ウ 未成年者でないこと。
エ 貸付を終了した日において、満65歳を超えていないこと。

  • 日本国籍がない場合は、在留資格が「法定特別永住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」のいずれかであること。
  • 同一学種等で、過去に東京都育英資金を借りていないこと。
  • 大学院に在学したことがないこと。
  • 返還期間の末日に、満65歳を超えないこと。

[引用:公益財団法人 東京都私学財団『東京都育英資金貸付事業 貸付を希望される方 一般募集』]

 

【特別募集】

高等学校、高等専門学校、専修学校(高等課程、専門課程)に在学する方のうち平成30年4月以降に家計の急変があり、修学困難になった方で【一般募集】の①〜⑨の要項をすべて満たし、かつ以下のいずれかに該当する方。

  • 生計維持者が失職、破産、死亡、離別した場合
  • 病気、事故、災害、経営不振その他の事由により、世帯の家計支出又は収入が、概ねそれまでの年収の1割以上増大又は減少した場合
  • 家計急変の事由により修学の継続が困難となり、緊急に奨学金の貸与が必要であると校長が認める場合

[参考・引用:公益財団法人 東京都私学財団『東京都育英資金貸付事業 貸付を希望される方 特別募集』]

 

【予約募集】

中学3年生で、翌年4月に高等学校、専修学校(高等課程)に進学を希望し、以下①〜⑦のすべてに該当し、在学する中学校が推薦する方。

  • 国・公・私立の中学校(中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。)の第3学年に在学していること。
  • 申込者と申込者を扶養している方(税法上の扶養者)が、共に都内に住所があること。
  • 国・公・私立の高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)又は専修学校(高等課程)に進学を希望していること。(進学先が高等専門学校の場合は、対象となりません。
  • 勉学意欲があり、経済的理由により修学が困難なこと。
  • 同種の奨学金(給付制のものを除く)を他から借り受けないこと。
  • 申込時に、第一連帯保証人(原則として申込者を扶養する父又は母)、貸付終了時に、以下の要件をすべて満たした第二連帯保証人を立てられること。
    ア 父又は母でないこと。
    イ 職業を有し(借用証書提出時に限る)、独立の生計(別生計)を営んでいること。
    ウ 未成年者でないこと。
    エ 貸付を終了した日において、満65歳を超えていないこと。
  • 日本国籍がない場合は、在留資格が「法定特別永住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」のいずれかであること

[引用:公益財団法人 東京都私学財団『東京都育英資金貸付事業 貸付を希望される方 予約募集』]

 

育英資金で借りられる金額

貸付金額は、学校種別により変わります。以下が在学または入学予定学校別の貸付金額です。

学校種別 国立

(月額)

公立

(月額)

私立

(月額)

高等学校

専修学校

(高等過程)

18,000円 18,000円 35,000円
高等専門学校 18,000円 18,000円 35,000円
専修学校

(専門課程)

45,000円 45,000円 53,000円

 

育英資金を利用するには

育英資金の申込は基本的に学校を通して行います。学校により申請方法や申込期間が異なりますので詳細は必ず在学している学校に問い合わせ確認してください。以下は申込から返還までの主な流れです。

育英資金の申込から返還までの流れ

申込申請書類を入手し必要事項を記入し申込期間中に提出する

まず、申込用の申請書類「東京都育英資金貸付申込書」などを学校から受け取ります。申込書の記入が完了したら、その他の必要書類とともに期間内に学校に提出し申込は完了です。申込期間は学校により異なりますが、一般的には4月中旬から5月中旬までの約1ヶ月間です。

※上記は「一般募集」の場合です。「特別募集」は一般募集が終了した後に、随時受付、予約募集は5月下旬から各学校が定める期間となります。

 

審査を経て採用・不採用通知その後貸付開始

申込が完了すると8月上旬に採用・不採用の通知がきます。通知が来た後から貸付が開始されますが、貸付対象期間は申込年度の4月から修業年限を終了する月までです。そのため8月上旬に採用通知がきたら、その後4月から8月までのまとまった奨学金が口座に振り込まれます。その後9月からは毎月振り込まれます。

※特別募集の場合は申込後、約1ヶ月で通知がきて貸付が開始されます。予約募集の場合は、申込年度の11月上旬に中学校から通知があり、その後翌年度入学し、在学が確認できたら5月に4〜5月の2ヶ月分の初学金が本人の口座に振込まれます。

 

貸付終了後、返還書類を提出する

貸付が終了したら、学校から「借用証書等返還書類」というものを受け取ります。受け取った書類に必要事項を記入しその他必要書類と共に学校に提出します。また、返還には連帯保証人を2名立てる必要があります。

※病気や進学などの何らかの理由により返還が困難な場合は、返還期間を先延ばしにすることもできます。その場合は「返還猶申出書・証明書類」を提出する必要があります。

 

返還書類を提出し返還を開始

返還書類を提出したら返還を開始します。返還方法は指定された方法での返還で以下が返還方法です。

項目 年間1回払い 年間2回払い
返還時期 毎年7月または12月 毎年7月及び12月
口座振替日 上記各返還月の27日

(振替日に金融機関が休みの場合は、翌営業日に振替)

返還回数は15回〜30回で、返還が終了すると「返還完了通知」が届きます。

育英資金の返還者に注意

これまで解説してきました奨学金は保護者への貸付ではなく、学生本人への貸付です。そのため奨学金の返還も保護者ではなく必ず学生本人が行わなければいけません。したがって奨学金の利用は保護者だけ、または学生だけの判断で行うのではなく親子で相談して利用するようにしましょう。

家計の状況によっては、勉強したいけどできないという状況もあるかと思いますが、そのような状態は非常にもったいないです。学校で受けられる勉強やその他の教育は大人になってから受けられるものでもないため、経済的な点と将来を見据えた上での奨学金を検討しましょう。

 

ライタープロフィール

 EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。