児童育成手当とは?制度利用の流れと利用上の注意点

児童育成手当とは、一人親の児童をもつ家庭にとって手当金という形で経済面をサポートしてくれる非常に助かる制度です。

そんな児童育成手当ですが児童扶養手当と名前や目的が似ているため多くの方が混同して捉えています。しかし児童育成手当と児童扶養手当では微妙に内容が違うため、制度を利用するからには正しく違いを理解しておきましょう。

今回は、児童育成手当の基礎から児童扶養手当との違い、さらには申請から受取りまでの利用の流れや注意点についてお伝えします。

児童育成手当とは

児童育成手当とは、一人親の児童(育成手当)、または障害をもった児童(障害手当)をもつ家庭に対して、生活安定・児童福祉増進の目的で支給される手当です。児童育成手当は国の制度ではなく自治体独自の制度で主に東京都で実施されています。

児童育成手当と児童扶養手当との違い

児童育成手当と児童扶養手当は、父母の離婚等の理由により一人親の家庭または父または母の代わりに児童を養育し生計を同じくしている家庭に生活安定・児童福祉増進の目的で支給されます。どちらの制度も目的は同じですが行っている機関や内容に違いがあります。

児童育成手当は『自治体制度』、児童扶養手当は『国制度』

まず大きな違いは、手当制度の運営元です。児童扶養手当は国が行っている制度なので、どの都道府県に住んでいても利用できます。しかし児童育成手当は自治体独自の制度なので、制度実施を行っている自治体と行っていない自治体があるためすべての方が利用できるというわけではありません。児童育成手当は東京都の制度ですが、各自治体で名前は違えど似たような制度が設けられている場合もあるので利用をお考えの方はお住まいの自治体のホームページで確認してみてください。

 

所得制限の範囲が異なる

児童育成手当には、受給者のみに所得制限が設けられていますが、児童扶養手当には、受給者以外にも扶養義務者に所得制限が設けられています。さらに養育費を受け取っている場合は、養育費の8割も受給者の所得に含まれ計算されるため、児童育成手当の所得制限よりも制限範囲が広く制限も厳しいというのが児童育成手当と児童扶養手当の違いです。

 

児童育成手当の対象条件

児童育成手当の受給対象条件は以下です。

【育成手当】

□以下のいずれかの状態にある18歳まで(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)の間にある児童を扶養している方

・父母が離婚した児童

・父もしくは母が死亡した児童

・父もしくは母が※重度の障害である児童

・父もしくは母が行方不明である児童

・父または母に引き続き1年以上遺棄(捨てて置き去りに)されている児童

・父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた児童

・父または母が法令により1年以上拘禁(逮捕)されている児童

・婚姻によらないで出生し父または母に扶養されていない児童

※重度の障害:身体障害者手帳1~2級程度

 

【障害手当】

□以下のいずれかに該当する20歳未満の心身障害児を扶養している方

・知的障害児で「愛の手帳」1~3度程度

・身体障害者で「身体障害者手帳」1~2級程度

・脳性まひ又は進行性筋萎縮症

[参考・引用:新宿区『児童育成手当』]

 

児童育成手当の支給額と所得制限

児童育成手当で受給できる金額は以下です。

項目 扶養児童人数 支給額(月額)
育成手当 1人 13,500円
2人 27,000円
3人 40,500円
障害手当 1人 15,500円
2人 31,000円
3人 46,500円

※育成手当の場合、児童1人につき月額13,500円が加算されます。

※障害手当の場合、児童1人につき月額13,500円が加算されます。

また、前年度の所得が所得制限枠に収まらなかった場合は、所得制限の対象となり、児童育成手当金の対象外となります。

扶養親族数 所得制限額
0人 3,604,000円
1人 3,984,000円
2人 4,364,000円
3人 4,744,000円
4人 5,124,000円

※上記表は平成29年5月から平成30年4月までの申請に適用されます。

※5人目以降は1人ごとに38万円が加算されます。

 

児童育成手当を利用するには

児童育成手当を実際に利用するには、申請先に必要書類を提出する必要があります。以下では、児童育成手当の申請から受給までの流れをお伝えしていますので、申請の参考にしてください。

児童育成手当の申請から受給の流れ

まず住所を管轄している自治体の制度内容や申請方法を確認する

各自治体によって内容や申請方法が異なることがあるため、最初に各自治体の住所を管轄している自治体での内容や申請方法を電話もしくはホームページにて事前に確認します。

 

指定の必要書類を揃えて自治体の担当窓口に提出

次に必要書類を揃えて自治体の担当窓口に提出し申請します。自治体により必要書類が一部異なることがありますが、主に必要な書類は以下です。

【必要物・書類】

・請求者と児童が記載されている戸籍謄本(発行から1ヶ月以内)

・請求者の名義が確認できる口座情報(預金通帳など)

・印鑑(朱肉を使用するタイプ)

※障害手当の場合は、「愛の手帳」「身体障害者手帳」もしくは診断書が必要になる場合があります。

状況によって必要書類が増える場合がありますので必ず事前に確認しましょう。

 

申請翌月から支給対象となり4ヶ月に1度支給される

申請が完了すると申請月の翌月から支給対象月となります。支給日は自治体により多少ずれますが基本的には1年間に3回(6月・10月・2月、各12日まで)が支給日です。

 

1年に1度「現況届」を提出する

1年に1度、引き続き受給資格があるかどうかの確認のために「現況届」を提出する必要があります。基本的には6月上旬頃に自宅に郵送されるので、同封されている返信用封筒にて期限内に返送し提出完了です。過去に申請した際と状況が変わっておらず受給資格対象に含まれている場合は引き続き児童育成手当金が支給されます。

 

現況届の提出忘れには注意を

現況届は引き続き児童育成手当を受給する資格があるかどうかを確認するための書類です。この現況届を提出し忘れてしまうと引き続き児童育成手当を受給できなくなるので提出忘れには注意してください。

以上が児童育成手当についてです。児童育成手当制度を実施している自治体は主に東京都ですが、各自治体でも制度名は違えど目的対象が似ている制度を取り入れている自治体も存在します。制度利用を希望される場合は、お住まいの住所を管轄している自治体が運営するホームページで確認してみてください。

利用上の注意点を意識しつつ、上手に児童育成手当を利用しましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。