子育て費用の総額【内訳付】妊娠から大学まではいくら必要?

子育てに必要な費用は総額どれくらいなのでしょうか?

妊娠してから大学を卒業し、子供がひとり立ちするまでの22年間にかかってくる金額は非常に大きなものとなります。しかし、その一方で日本全体の平均収入は過去に比べ低く、現在も下がり続けているため子育て費用を捻出するのも一苦労です。このような現状では前向きに子供を作ったり、子供を育てていくというのは困難となります。

子育てにはどれくらいの金額をいつまでに準備しておけばいいのでしょうか?また、どうしても捻出できない場合は何か対策があるのでしょうか?

今回は、子育て(妊娠〜大学まで)に必要な総額と、その費用の内訳さらには子育て費用をサポートしてくれる対策についてお伝えします。必要な費用と対策を把握しておくことで子育て計画も立てられ不安も少なくなりますのでチェックして前向きな子育てに取り組んでください。

子育て費用の総額と内訳

赤ちゃんを授かり大学を卒業しひとり立ちするまでの約22年間、子供一人にかかる教育費だけでも1千万円以上と言われています。教育費だけでも結構な額ですが、子育てに必要な費用はもちろんこれだけではなく、さらに金額も大きくなるため計画的に費用を準備して子育てに挑みたいものです。それでは早速どの段階でどれくらい、どんなことに必要なのか細かくみていきましょう。

妊娠・乳児期(生まれてから幼稚園入園前)

妊婦健診費

妊娠が確定すると、産婦人科や助産院にて定期的に妊娠健診を受けることになります。妊娠健診は、赤ちゃんの発育状態やお母さんの健康状態を定期的に把握し異常がないか確認し安全に妊娠期間を終えることを目的に行われます。この妊娠健診では健康発育確認の他、妊娠期間中の過ごし方などのアドバイスや、妊婦さんの精神状態を安定に保つための相談、分娩時期の予測、分娩方法などを決めるため妊婦さんにはかかせない健診と言えるのです。

この※1妊婦健診には健康保険が適用されません。※2回の健診で約3千円〜1万円の費用がかかり、妊婦健診は14回行われるため合計約10〜15万円前後の費用がかかります。しかし、※3「妊婦健康診断審査受診票(補助券)」により助成されるため自己負担額は少なくなりますが、それでも約5〜10万円前後は負担しなければいけません。

※1:健診にて異常が明らかになった場合は健康保険が適用されます。

※2:受診する医療期間によりかかる費用は変わります。

※3:妊婦健康診断審査受診票は住居のある指定されたエリア内でしか利用できません。他で受診した場合は「償還払い」が適用されます。

 

出産費(分娩・入院)

  • 分娩費

出産と一言で言っても、そこには様々な費用がかかってきます。まず分娩は大きく分けて2種類(経膣分娩・帝王切開)があり、さらに経膣分娩には自然分娩や無痛・和痛分娩、吸引、誘発などの手法があります。自然分娩では健康保険が適用されないため、15〜25万円程度、痛みを和らげる無痛・和痛分娩では30〜40万円程度、帝王切開では健康保険が適用され15〜20万円程度必要になります。

  • 入院費

出産に伴う入院にかかる費用です。産後の母子の健康状態にもよりますが約1週間程度入院するのが一般的です。通常、大部屋一泊あたり(食事代込み)1万円〜3万円です。個室の場合はさらに費用が高くなります。

  • 新生児管理保育料

新生児管理保育料とは、その名の通り新生児(赤ちゃん)の管理と保育に関する費用で、主に赤ちゃんの検査やケアが行われます。費用は1日あたり1万円前後です。

※分娩費・入院費・新生児管理保育料はかかる医療期間により費用は変わります。

 

マタニティ・ベビー用品費

妊娠期間中のマタニティ用品や出産後に必要なベビー用品です。一般的に10〜15万円ほどお金をかけますが、使用できる期間が非常に限られるため必要最低限のものだけを安く揃えるため、今ではオークションなどを利用しマタニティ・ベビー用品を購入する方も増えているようです。

一見たくさんのものが必要に思えますが、本当に必要なものは実は限られています。

【必要なマタニティ用品】

・マタニティウェア(1着3千〜5千円程度)

・妊婦帯、腹帯(1着3千〜8千円程度)

 

【必要なベビー用品】

・ベビー服(1着千〜3千円程度)

・哺乳瓶(1個千円〜2千円程度)

・チャイルドシート(1台1万円前後)

・おむつ用ゴミ箱(1つ3千円〜7千円程度)

・消耗品(おむつ、おしりふき、ミルク、衛生品など)(月1万円程度)

 

その他

乳幼児期にかかる主な費用は前述しましたが、それ以外にも出産祝いの内祝い(お返し)や里帰りなどの交通費、安産・成長祈願、記念写真などのイベント事に使う費用も結構な額になります。もちろん、どの程度までやるのかにより費用は大きく変わってくるためピンキリですが一般的に10〜20万円ほど結果的にかかってしまったという家庭が多いようです。

【妊娠〜乳児期必要費用まとめ】

費用項目 内訳 金額
妊婦健診費 5万円〜10万円
出産費 分娩費 15万円〜40万円
入院費(1週間) 7万円〜20万円
新生児管理保育料 5万円〜7万円
マタニティー用品費 マタニティウェア×3 9千円〜1万5000円
妊婦帯・腹帯 3千円〜8千円
ベビー用品費 ベビー服×3 3千円〜9千円
哺乳瓶 1千円〜2千円
チャイルドシート 約1万円
おむつ用ゴミ箱 3千円〜7千円
消耗品(月間) 約1万円
その他 内祝い もらった出産祝い金の半額程度
イベント費 10万円〜20万円
交通費 1万円〜5万円
合計   約82万5000円

 

幼稚園

幼稚園で必要になる費用は学校とあまり変わりがない印象がありますが実際はどうなのでしょうか?幼稚園でも公立・私立とあり、私立では公立に対し2.2倍の学費が必要になるなど利用園によりかかる費用は大きく変わってきます。

項目/区分 公立幼稚園 私立幼稚園
教育費 119,175円 319,619円
給食費 19,382円 36,836円
園外活動費(学習用品購入費、塾、家庭教師、習い事などにかける費用) 83,707円 141,553円
学費年間合計額 222,264円 498,008円
学費総額(3年間) 約660,000円 約1,500,000円

[出典・参考:文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」の結果について]

 

小学校

一般的に小学校6年間では、比較的費用がかからないため貯蓄がしやすくなると言われていますが実際どれくらいの金額が必要なのでしょうか?小学校の場合、私立学校は全体の1.1%、児童数も1.2%と少ないですが、かかる学費は公立高校の4.8倍と大きな差が出ます。

項目/区分 公立小学校 私立小学校
教育費 59,228円 885,639円
給食費 43 ,176円 46,089円
学校外活動費(学習用品購入費、塾、家庭教師、習い事などにかける費用) 219,304円 604,061円
学費年間合計額 321,708円 1,535,789円
学費総額(6年間) 約1,920,000円 約9,210,000円

[出典・参考:文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」の結果について]

※小・中・高校の教育費には授業料、入学金、学用品費、通学用品費、PTA会費、学校納付金などが含まれます。

 

中学校

中学校も小学校と同様、私立の数は少なく割合は7.4%、生徒数7.0%です。学費は小学校ほど比率に差はありませんがを2.8倍とそれなりに差はでます。しかし、中学校の場合は教科外活動費(クラブ活動や学級活動、生徒会や林間学校などに関する費用)の割合が多くなるようです。

項目/区分 公立中学校 私立中学校
教育費 128,964円 1,022,397円
給食費 38,422円 4,154円
学校外活動費(学習用品購入費、塾、家庭教師、習い事などにかける費用) 314,455円 312,072円
学費年間合計額 481,841円 1,338,623円
学費総額(3年間) 1,445,523円 4,015,869円

[出典・参考:文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」の結果について]

 

高校(全日制)

高校(全日制)では、小学校・中学校とは違い、私立の占める割合も学校数27.5%、生徒数32.0%と多くなります。学費比率は公立に対して2.4倍と中学校の比率よりさらに下回ります。高校で必要な費用の特徴は給食がなくなるため固定給食費がなくなったり、学校外活動費が中学とくらべ低くなる傾向にありますが、高校生ともなると学校関連以外に興味が広がるため、そこでの費用がかさみます。学校によってアルバイト制限があるところもあり、高校生でアルバイトをしている割合は30%とそこまで高くないため、まだまだ家計で負担しているところが多いようです。

項目/区分 公立高校 私立高校
教育費 242,692円 740,144円
給食費 −円 −円
学校外活動費(学習用品購入費、塾、家庭教師、習い事などにかける費用) 167,287円 255,151円
学費年間合計額 409,979円 995,295円
学費総額(6年間) 約1,230,000円 約2,985,885円

[出典・参考:文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」の結果について]

 

大学

大学に必要な費用は、国公立・私立・希望学部、によって大きく変わります。さらに近年では留学させるケースが増えているためさらに費用は増します。また、自宅からの通学・一人暮らしでの通学によっても在学4年間での出費は大きく違ってくるためより入念な費用確認が必要です。

項目/区分 国公立大学(自宅通学) 国公立大学(自宅外通学) 私立文系(自宅通学) 私立文系(自宅外通学) 私立理系(自宅通学) 私立理系(自宅外通学)
初年度 約175.8万円 約345.7万円 約248.9万円 約418.8万円 約284.0万円 約453.9万円
二年目以降 約93.9万円 約218.8万円 約142.2万円 約267.1万円 約178.0万円 約302.9万円
4年間総額 約457.4万円 約1002.1万円 約675.5万円 約1220.1万円 約818.0万円 約1362.6万円

[引用・参考:All About マネー「大学4年間でかかる学費・生活費はいくら?」 日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果 平成27年 教育費負担の実態調査結果」]

 

子供が出来てから大学卒業までの総額

子供が出来てから大学を卒業しひとり立ちするまでの総額は、少なくても1千130万円以上必要なことがわかりました。総額で見るとかなり大きな金額となり難しく思いますが、この費用は22年間かけて払うため年額に直すと約51万円、さらに1月分に換算すると約4万3千円なため、月5万円の貯金ができれば子育てができるためさほど難しくないことがわかります。さらに子育ての費用をサポートしてくれる助成金や補助金その他制度がありますので、それが利用できればさらにハードルは下がるのです。

 

出産・子育てをサポートしてくれる助成・補助金制度

あまり知られていませんが、国や自治体が子育てを支援する助成金や補助金、支援制度という形で子育てをサポートしています。近年では、少子化傾向・母子父子家庭の増加もあるため子育て支援関連制度も充実してきており、独自の支援を行っている自治体も増えてきています。以下は出産や子育てに関する助成金・補助金・その他制度です。参考にしてください。

利用時期 助成・補助・支援制度 概要 詳細記事リンク
妊娠 妊婦健康診断受診票(補助券)

・妊婦健康診査等費用助成制度

妊婦健康診断にて受診票に記載された検査を受けた場合に、一定金額を上限とした助成を受けられる。 詳細記事>>
出産 出産育児一時金 被保険者及びその被扶養者が出産した際に協会けんぽに申請すると1児につき42万円支給される。 詳細記事>>
出産手当金 出産のために会社を休み、給与を受けることができなかった場合に出る手当金。 詳細記事>>
出産費貸付制度 出産に必要な費用が手持ちにない場合、出産育児一時金が支給されるまでの間、無利子で借入することができる制度。 詳細記事>>
育児休業給付金 育児休業期間中に支給される育児休業中の生活を支援する給付金制度。 詳細記事>>
乳幼児医療費助成 乳幼児が医療機関で受けた診察、治療費の一部または全額が助成される制度。 詳細記事>>
児童手当 年齢に応じて月々の支給額が5,000円〜15,000円から変動する、日本国内に住む0歳から中学卒業までの児童が対象になる手当制度。 詳細記事>>
児童育成手当 児童の心身健やかな成長を目的とした、ひとり親の家庭等に支給される手当。 詳細記事>>
児童扶養手当 「児童育成手当」と目的等同じだが、児童育成手当に対し、『児童扶養手当』の場合は、受給者・同居の扶養義務者に所得制限が設けられている。※児童育成手当の場合は受給者のみに所得制限あり。 詳細記事>>
小学校・中学校 就学援助 経済的理由により就学が困難な学齢児童生徒の保護者に対し、市町村より受けられる援助。 詳細記事>>
高校 高等学校等就学支援金制度 高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、教育の実質的な機会均等を目的とした支援金制度。※国立・公立・私立は問わない。 詳細記事>>
私立高等学校等授業料軽減助成金 私立高等学校等に通学する生徒の保護者に対し授業料を一部助成し経済的負担の軽減を目的とした助成金制度。 詳細記事>>
高校生等奨学給付金 低所得世帯を対象に、高等学校等の授業料以外にかかる費用の一部を負担する返済不要な給付金制度。 詳細記事>>
入学支度金 入学支度金貸付制度のある学校に入学する際に、入学時に必要な費用のうち20〜25万円を無利子で借入できる制度。※入学先の学校より貸付を受ける。 詳細記事>>
育英資金 勉強意欲があるにも関わらず、経済的理由により修学困難な場合に無利息で奨学金を受けられる制度。 詳細記事>>
大学 大学授業料等の減免 意欲と能力があるにも関わらず、経済的理由により修学困難な場合に授業料の免除・減免措置を行ってくれる。 詳細記事>>
その他 医療費控除 その年の1月1日〜12月31日までの1年間に10万円以上の医療費を支払った場合に、納税した一部が還付される制度。 詳細記事>>
母子福祉資金/父子福祉資金 20歳未満の子供を扶養している母子家庭または父子家庭に資金の貸付を行う制度。 詳細記事>>
生活福祉資金 低所得者・高齢者・障害者の生活を支えることを目的とした貸付制度。低所得者では、必要な生活資金を他から借り受けることが困難な場合、無利子または有利子(年1.5%)で借入することができる。 詳細記事>>

 

制度活用で子育て費用の負担を軽減し上手な子育てを

以上が子育てに関する費用総額・内訳と対策です。子供を一人育てるには多くのお金が必要なのがわかりました。お金がかかるというイメージから子育てに対して消極的な方が増えているため、少子化が進む一方ですが、国や自治体からのサポートも充実してきており、さらには福利厚生という形で子育てを支援する企業も増えているため、制度を上手に使えば子育ての負担はかなり軽減されるのです。

住んでいる地域を管轄している自治体により、子育て支援に対する制度は異なりますので、調べてみて活用できる制度があれば活用し上手に前向きな子育てに取り組んでみてください。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。