美容室の事業計画書作成ポイント

美容室開業には、開業資金1,000万円以上の多額のコストが必要となるため多くの人が金融機関へ融資申請を行いますが、融資審査は決して優しいものではありません。融資審査通過には事業成功のビジョンが見える事業計画書がポイントとなります。また、事業計画書は事業の業種によって注力すべきポイントが異なります。

今回は、美容室開業に向けた融資成功から継続経営についての事業計画書作成ポイントをお伝えします。

これから美容室を開業したいと考えている、開業したけど運営が厳しいという方は、ぜひ本記事をご一読ください。

美容室で事業計画書を作るには

現在、美容室は全国に23万店存在すると言われており、その数はコンビニの約5倍と言われています。他の業界と比較しても特に競争が激しく美容室を継続経営するのは大変難しいと言われているため、金融機関など融資を実行する側はもちろんこのような状況を把握しており、比較的融資審査が厳しいというのが現状です。それではどうすれば融資を受けることができるのでしょうか?

融資を受けるには「金融機関を信用させること」がポイントです。そのためには様々な要素が必要ですが、その要素の中でも大きな部分を占めるのが『作り込まれた事業計画書』です。事業計画書は各業種によって重要視されるポイントが変わるため、自身が行う業種に適した事業計画書を作成する必要があります。作り込まれた事業計画書は、融資成功だけでなく経営を継続する上でも非常に役立つため作っておいて損はないのです。以下は美容室の事業計画書作成のポイントですので是非参考にしてください。

美容室の事業計画書作成ポイント

店舗立地と調査を入念に行う

美容室を運営する上で店舗の立地は開業後の経営を左右するとても大きな要素です。まず適切な立地を選ぶために自身が開業しようと思っている美容室のターゲット顧客の属性を想像しましょう。年齢・性別・収入・ファッションスタイルなど要素は様々ですが、ターゲット顧客の属性により店舗開業場所のエリアが変わるため、それにより1日の客数や客単価の設定などが変わり最終的に売上額に大きな影響がでます。

ターゲット顧客を想像できたら、次は店舗開業の立地候補を複数挙げていきます。ターゲット顧客が集まる場所は決して一つではないはずです。いくつか選択肢があるかと思いますので、当てはまる立地候補を挙げましょう。

候補をあげることができたら最後は現地調査です。曜日によっての客通り、時間帯別の人通り、さらには競合店の数や価格設定など現地で得られる情報は大変貴重なものばかりで、現地調査をすればするほど、ズレの少ない綿密な計画を立てることができます。顧客分析や現地調査などの店舗立地を決定した根拠も事業計画書に記載しましょう。

 

集客戦略を立てる

最適な立地を確保できたとしても、お客様から勝手にきてくれることはありません。店舗経営の命とも言える集客戦略を事前に立てておきましょう。戦略を事前に立てておくことによりコスト計算をより正確に行うことができます。美容室が行う一般的な集客法は以下です。

・チラシ集客

・看板集客

・Web広告

・メディア掲載

他にも多数の方法がありますが、最適だと思う方法を選び開業後実行してみましょう。一番初めはどれが最も効果があるかはわかりません。それぞれ試してみて来店してくれた顧客にアンケートで「お店に訪れた理由」を聞き集計すると、どの集客手段が最も効果的なのかがわかるため、最終的には方法を絞ることができます。かける経費を無駄にせず反応が無かったとしても一つのデータとして蓄積し分析改善をしていきましょう。これらの戦略を順序立てて事業計画書にわかりやすくまとめると計画書の信用度が増します。

 

細やかな財務計画を立てる

店舗経営において財務計画はもっとも重要かつ造り込まなくてはいけないポイントです。というのも美容室開業には多額の資金が必要かつ開業後も当然運営コストがかかるため収支のバランスが非常に重要になってきます。個人経営の場合、どんぶり勘定でよくよく確認してみたら収支のバランスがとれておらず赤字だったなんてこともよくある話です。そうならないためにも、また融資成功を実現するためにも財務計画は特に綿密に立てておきましょう。美容室開業にあたり必要な主な費用は以下です。

費用項目 内容
物件取得費 店舗保証金(敷金)、店舗礼金、仲介料、前家賃、火災保険料など物件賃貸もしくは購入にかかる費用
内外装工事費 店舗の内装や外装のデザイン、工事にかかる費用
美容器具 シャンプー台、セット椅子、スチーマーなど美容室経営に必要な器具にかかる費用
設備 パソコンやその他電化製品など美容器具に含まれない設備にかかる費用
開業前材料費 シャンプー、カラー剤、パーマロッドなどの美容室の施術で使用する消耗品
広告宣伝費 チラシ作成費、ホームページ作成費、顧客カードなどの作成費用
人材採用費 人材を雇用する際に必要となる費用
運転準備資金 開業後運営継続をするために必要な資金

 

信用を得る事業計画書作りを

事業計画書は、これから起業・開業してスタートする事業の内容や、経営方針、戦略、財務計画など自社や事業の概要や、3〜5年後の事業展開をまとめた資料です。その主な役割は、「自社の強みや弱みを把握し、今後の戦略展開などを整理すること」「金融機関からの資金調達の実現」「事業開始後の評価指標」で、作成することによって得られるメリットは他にも多々あります。

事業計画書は特に書式や様式が決まっているわけではないので自由に項目を設定して作成することができますが、自由な反面、入込む項目を間違え、本来事業計画書を作成することで得られるメリットが、十分に得られないということもあります。したがって事業計画書作成におけるメリットを十分に得るには、しっかりと作り込む必要があるのです。

優秀な事業計画書とは自分の事業に特化した情報が網羅されており、なおかつ第三者がわかりやすいというのが前提になります。作成時にインターネット上に出回っている事業計画書のテンプレートを利用する方は多いと思いますが、それをそのまま利用したのでは型にはまったどこにでもある事業計画書になってしまい事業計画書本来のメリットが発揮されにくくなります。全業種に共通する事業計画書に入込むべき項目を抑えつつ業種別さらには自社に特化した事業計画書作成を目指しましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。