IT関連業の事業計画書作成ポイント

IT業は他業種に比べ開業資金が少なく済みます。というのも、IT業の場合、事業運営にかかるコストのほとんどが人件費であるため、自分一人で独立起業をする際の開業費用はPC関連機器、事務所関連費のみということになります。このような背景もありIT業では事業開始時に金融機関からの融資を受ける例が少なく事業計画書を作成する機会がないため多くの方が事業計画書を作ったことがないというのが現状です。

しかし事業計画書は融資を受けるためだけが役割ではありません。事業計画書は事業運営の成功率に影響を与える重要な指標となるためぶれない経営をするためには必要不可欠なものなのです。

今回は、事業の継続運営を成功させるIT業の事業計画書作成ポイントについてお伝えします。

これからIT関連業で独立・起業をお考えの方、すでに起業しているけど運営にお困りの方は、ぜひ本記事をご一読ください。

IT関連業で事業計画書を作成するには

通常、事業計画書を作成する場合は事業開始前のタイミングで作成することがほとんどですが、IT業の場合、業種の特徴から事業計画書を完全に作成する前にサービス発信を開始し顧客の反応を見ながらデータを計画書に落とし込み、常に修正しながら事業を進めるという流れが良いとされています。

したがって①事業のビジョンや方針、概要、コンセプト、明確に決定している開業費用などを固めてから②事業を開始しつつマーケティングをし③取得したデータを基に計画書を作成しつつ事業運営を継続するというのが全体の流れになります。

それでは具体的にIT業の事業計画書作成ポイントを見ていきましょう。

IT関連業の事業計画書作成ポイント

事業内容・取扱い製品・サービスを明確化する

IT業は、他業種と異なり製品やサービス内容、なぜその価格設定なのかなど一般的にあまり知られていません。事業計画書作成の理由は、自社のための事業整理やぶれない軸を持つためのものでもありますが、それ以外にも第三者に自社の事業をわかりやすく明確に説明するための資料でもあります。そもそも、わかりづらい事業・製品・サービスは顧客にも利用しづらく客離れの原因になります。事業計画書の作成を機に、自社の事業内容、取扱い製品やサービスの明確化をして、誰が見ても理解できるようにまとめてみましょう。

 

市場調査を行い取得したデータを基にPDCAサイクルを回す

事業を継続して運営するにあたり市場調査はとても重要な項目です。市場調査を全く行わずに起業する会社が多々ありますが、これは非常に危険な行為と言えます。

そもそも市場調査とは、これから参入する市場の規模や成長性、顧客ニーズなどを調査し、どうすれば製品やサービスを売ることができるのか施策を立てることです。市場調査を行わなければ継続的に製品やサービスを売り続けることができなくなり事業継続が困難になります。

IT業の場合は、市場調査によって顕著に結果が出るため特に重要です。したがって、製品やサービスをリリースし動きつつも顧客の反応をデータとして取得し常にPDCAサイクルを回し続け売上・導入数などが上昇するように取り組みましょう。これらは事業計画書にとって次の項目である根拠のある財務計画作成につながります。将来的に事業拡大に伴うオフィス移転等で、もしかしたら金融機関などからの融資が必要になるときがくるかもしれません。その際にしっかりとした市場調査とそれに基づいた財務計画があれば説得力が生まれ融資がスムーズに進むことでしょう。

 

データを最大限活用した説得力のある売上計画と行動計画を作成する

最後に市場調査に基づいた説得力ある売上計画とそれを達成させる行動計画を作成します。男性の事業主で、計画を立てる際に強気になり売上計画を高く設定したり、高すぎる売上計画を達成させるためにめちゃくちゃな行動計画を立てるといったことがよくありますが、現実離れした計画は意味をなしません。そもそも市場調査を行っていないか、もしくは正しくできていなからこそ起こる現象です。正しく調査を行っていれば、このようなことは起こらず、現実的で説得力のある売上計画や行動計画を作成することができます。

正しく取得したデータをもとに作成した売上計画や行動計画は、経営する上で非常に心強い指標となり、事業を成功へと導きます。さらには第三者の協力を募りやすくなるため金融機関からの融資にとどまらず他会社からの協力やサポートなども引き寄せるでしょう。

 

他人が読んでもわかる事業計画書作成を心掛ける

事業計画書は、これから起業・開業してスタートする事業の内容や、経営方針、戦略、財務計画など自社や事業の概要や、3〜5年後の事業展開をまとめた資料です。その主な役割は、「自社の強みや弱みを把握し、今後の戦略展開などを整理すること」「金融機関からの資金調達の実現」「事業開始後の評価指標」で、作成することによって得られるメリットは他にも多々あります。

事業計画書は特に書式や様式が決まっているわけではないので自由に項目を設定して作成することができますが、自由な反面、入込む項目を間違え、本来事業計画書を作成することで得られるメリットが、十分に得られないということもあります。したがって事業計画書作成におけるメリットを十分に得るには、しっかりと作り込む必要があるのです。

優秀な事業計画書とは自分の事業に特化した情報が網羅されており、なおかつ第三者がわかりやすいというのが前提になります。作成時にインターネット上に出回っている事業計画書のテンプレートを利用する方は多いと思いますが、それをそのまま利用したのでは型にはまったどこにでもある事業計画書になってしまい事業計画書本来のメリットが発揮されにくくなります。全業種に共通する事業計画書に入込むべき項目を抑えつつ業種別さらには自社に特化した事業計画書作成を目指しましょう。

 

ライタープロフィール

 EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。