不動産業の事業計画書作成ポイント

不動産業界は扱う商材が高額で営業販売の難易度も高いことから、会社員でも得られる利益が大きく1件成約での報酬が数十万〜数百万にのぼることもあり、年収にすると数千万を稼ぎだす営業マンもいます。このような背景もあり、不動産業で独立開業する人も多く常に人気の業種です。

しかし得られる利益が大きい反面、売上利益を上げるためには営業マンの力量が直接的に関係してくることから組織化や規模の拡大が大変難しいと言われており、ほかにも取り扱う金額が非常に大きい為背負う責任も大きくなるため事業継続が難しいと言われています。さらには不動産業での独立開業には最低でも1000万円以上必要と言われており、決して独立開業のハードルが低いわけではありません。これらのこともあり、不動産業で独立開業するには作り込んだ事業計画書が必要不可欠です。

今回は、独立開業、その後の事業継続を視野にいれた役に立つ不動産業の事業計画作成ポイントについてお伝えします。

これから不動産業で独立開業される方、すでに独立開業しているが運営に悩んでいる方は、ぜひ本記事をご一読ください。

不動産業で事業計画書を作成するには

不動産事業をスタートする場合、少なくとも1000万円以上の開業資金が必要と言われていることから金融機関などから借入をして事業を開始する方が多いのではないでしょうか?金融機関からの融資を受けるには融資審査を通過する必要がありますが、通過要素の一つとして「事業計画書」が大きなポイントとなります。

事業計画書は将来的に事業を継続・拡大するには必要不可欠で、事業の発展に大きく貢献してくれることは間違いありません。しかし事業計画書は、ただ作れば良いというものではなく、事業業種や職種により作り込むべきポイントが異なります。事業に貢献してくれる事業計画書にするためには以下のポイントをしっかりと抑え意識して作り込みましょう。

不動産業の事業計画書作成ポイント

まずはサービスの明確化と具体化をする

不動産業者数は一時期減少傾向にありましたが、近年では増加傾向にあり、今では全国で12万社以上となっています。そんな中競合他社から抜きん出て事業を成功させるのは決して容易ではありません。したがって競合他社との差別化を図り優位に立つのが事業成功のポイントなってくるのですが、残念ながら多くの一般利用顧客の最大目的は良い物件を見つけることであって良い不動産業者を見つけることではありません。このことから一般利用顧客は不動産業者のサービス内容を深く理解していない傾向にあり明確に答えることができないのが現状です。

そんな中、サービスで他社との差別化を図ったとしても一般利用顧客に気づいてもらえないのであれば意味がありません。リピートをしてもらえるきっかけにはなりますが、不動産業は1件あたりの金額も大きくなおかつ賃貸にしても基本的には2年契約が多いためリピートでの利益は期待できず、特に立ち上げ当初は新規顧客獲得を意識しなければ生存できません。

そこで重要になってくるのがサービスの明確化でありサービス内容の具体化です。不動産業の事業計画を作成する際ほとんどの場合、取扱い業務名と抽象的な業務内容のみの記載ですが、ここでサービス内容をさらに細かく明確・具体化することにより自社の大きなアピールポイントとなります。以下の視点を軸に明確・具体化してみましょう。

①主な取り扱いサービス(業務)名は何か?

②主な取り扱いサービス(業務)の内容は?

③サービス利用料はいくらなのか?

④自社を利用することによるお客様のメリットは?

 

顧客・競合分析を徹底する

前述しましたように、不動産業は1件成約したときの利益は大きいですが営業の難易度が高く、さらにはリピートよりも新規を常に開拓し続けなければいけないのが厳しいポイントです。これらの対策をするには徹底した顧客・競合分析が不可欠で、逆にしっかりとした分析ができれば戦略も立てられ営業もスムーズに進み、利益の獲得につながります。以下のポイントに軸をおいて顧客分析を行いましょう。

①ターゲット顧客の属性は?

②ターゲット顧客のニーズは?

③他社と違う自社の強みはなにか?

④他社はどのようにして顧客ニーズに応えているか?

⑤他社はどのような営業手法で成果を上げているか?

 

営業戦略を具体化する

顧客・競合分析が完了したら、どのような営業活動を行っていくかの戦略を具体化します。徹底された分析をもとに立てられた具体的な営業戦略は売上利益を上げるための力強い根拠となります。分析で出た結果に基づき、ターゲット顧客に合った最適な営業戦略を決めましょう。

①ターゲットにアプローチ可能な営業ルートは?

②集客のためのPR方法は?

③成約獲得するための営業手法は?

④営業の核となるアピールポイントは?

 

細やかな財務計画を立てる

サービスの明確・具体化、顧客・競合分析、営業戦略の具体化ができたら、それらを基にした財務計画を立てていきます。前述しましたが、徹底された分析と具体的な営業戦略に基づいて作成された財務計画は根拠があるため非常に信頼性が高くなり、融資審査の場で大きなアピールポイントになるばかりか、事業運営をしていく上で適正な計画は指標となりモチベーションの維持につながるため達成率に良い影響を与えてくれます。財務計画の中でも以下の計画を入念に作り込みましょう。

項目 内容
初期投資額 家賃/保証金・設備・運転資金等など開業に必要な費用
売上・損益計画 開業後の損益の見込みを記載した計画書
資金計画 資金調達、支払い、返済を軸にした計画

 

自社の状況に応じた事業計画書作成を

事業計画書は、これから起業・開業してスタートする事業の内容や、経営方針、戦略、財務計画など自社や事業の概要や、3〜5年後の事業展開をまとめた資料です。その主な役割は、「自社の強みや弱みを把握し、今後の戦略展開などを整理すること」「金融機関からの資金調達の実現」「事業開始後の評価指標」で、作成することによって得られるメリットは他にも多々あります。

事業計画書は特に書式や様式が決まっているわけではないので自由に項目を設定して作成することができますが、自由な反面、入込む項目を間違え、本来事業計画書を作成することで得られるメリットが、十分に得られないということもあります。したがって事業計画書作成におけるメリットを十分に得るには、しっかりと作り込む必要があるのです。

優秀な事業計画書とは自分の事業に特化した情報が網羅されており、なおかつ第三者がわかりやすいというのが前提になります。作成時にインターネット上に出回っている事業計画書のテンプレートを利用する方は多いと思いますが、それをそのまま利用したのでは型にはまったどこにでもある事業計画書になってしまい事業計画書本来のメリットが発揮されにくくなります。全業種に共通する事業計画書に入込むべき項目を抑えつつ業種別さらには自社に特化した事業計画書作成を目指しましょう。

 

ライタープロフィール

EL-LAB編集部

金融、経営コンサル、人材紹介、WEBメディア業界出身者が集まり、キャリアチェンジ(起業マニュアル/転職マニュアル)、ワークライフ(仕事人生の悩み)、マネーライフ(お金と人生の悩み)というテーマを軸に、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。